BTCは1000万円周辺まで下落 クラリティ停滞でどうなる?

7月27日〜8月2日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比68万6896円(6.42%)安の1000万5352円と5週ぶりに下落した。
米国とイランによる攻撃の応酬が止んだ一方、米ハイテク企業によるAIに対する過剰投資懸念が再燃し、BTC相場は週央まで1050万円周辺で方向感を模索する展開が続いた。しかし、30日米国時間に日米協調為替介入により、ドル円相場が暴落すると、ドル建てでの取引が主流のBTCは、円建てで1025万円近辺まで急落した。さらに、物理ウォレットのコールドカードからBTCの不正流出が報告されると、31日には同水準を割り込んだ。
また、この日もホルムズ海峡でタンカーが引き返しを余儀なくされる状況が嫌気され、原油価格が上昇。これに伴って米国債利回りが上昇すると、米国時間のBTCは大台の1000万円を割り込んだ。
一方、週末にはトランプ米大統領がイランへの攻撃を延期する意向を表明したことで若干の買い戻しが入り、週足終値は僅かに1000万円を上回った。


今週のBTC相場は、クラリティ法案を巡る米議会の動向と、中東情勢や米雇用関連指標を睨みながらの展開となりそうだ。
まず、暗号資産市場ではクラリティ法案の行方が引き続き最大の注目材料となる。米議会は8月7日に夏季休会入りを予定しているものの、現時点では上院本会議での審議時間は割り当てられていない。議事妨害阻止に必要な60票を確保できる公算も大きくはなく、他の法案審議が優先される状況となっている。
尤も、米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は、仮に法案が成立しなかった場合でも、SECとして必要な規則整備を進める可能性に言及しており、法整備のバックアッププランが動き始めている様子も窺える。このため、休会前の採決が見送られた場合には短期的な失望材料となる可能性はあるものの、予測市場では既に年内成立確率が低下しており、相場への影響は限定的となりそうだ。
一方、中東情勢を巡っては、トランプ米大統領が本日からイランとの協議を再開すると明らかにしている。中間選挙を控えるなか、米国株市場も軟調地合いとなっており、政権としても対立激化より対話を優先するインセンティブは従来以上に高まっていると考えられる。仮に交渉進展が確認されれば、原油価格の上昇圧力が和らぎ、BTCを含むリスク資産には追い風となろう。
他方、今週は米雇用統計ウィークでもあり、雇用関連指標が相次いで公表される。市場では失業率の上昇が見込まれており、労働市場の減速が確認されれば、足元で続くインフレ鈍化と相まって、FRBによる追加利上げ観測の後退につながる可能性がある。ただし、中東情勢の不透明感が残るなかでは、市場参加者も積極的なポジションを取りにくく、週後半の雇用統計までは様子見姿勢が優勢となりそうだ。
総じて、今週もクラリティ法案の停滞、中東情勢、米雇用関連指標という複数のテーマが交錯する一週間となろう。法案審議の進展は限定的となる可能性が高い一方、米・イラン協議が前向きに進展し、雇用統計が追加利上げ観測を後退させる内容となれば、BTC相場の支援材料となる公算が大きい。ただ、それまでは方向感を欠きやすく、週前半は地合いの緩みやすい展開を想定している。



PDFリンク
bitbank Report 2026/08/03:BTCは1000万円周辺まで下落 クラリティ停滞でどうなる?













