BTCはカラカサ出現も微妙な動き 今週も不透明感が続くか

8日〜14日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比186,500円(4.84%)安の3,665,501円と2週続落。対ドルでは節目の27,000ドル(≒367万円)を僅かに下回って終値を付けた。
米地銀問題やミネアポリス地区連銀のタカ派的な発言を受けた米株の下落が相場の重石となり、木曜日のBTC相場は370万円を割り込むと、イーサリアムのブロック確定(ファイナライズ/ファイナリティ)が停止たことでアルトコイン筆頭に売りが加速し、BTCは金曜日の東京時間に360万円をおよそ1ヶ月半ぶりに割り込んだ。その後は350万円台で下げ渋るも、5月の米消費者信頼感指数の下振れを受けた米株の下落が重石となり、上値も重かった。
一方、米市場引けにかけてBTCはいちじ350万円割れを試す場面もあったが、米株がこの日の安値から反発すると、BTCも買い戻され360万円を回復。週末は27,000ドル水準を背に揉み合う展開が続き、ライトコイン(LTC)相場の上昇を受けて一時は同水準を上回るも、終値での回復には至らなかった。

金曜日の下落でBTCは対ドルで200週移動平均線を一時的に割り込んだ後、短期的な売られ過ぎ感もあって買い戻され、底堅さを印象付けた。この日の日足では反転のシグナルとなるカラカサが出現した他、ボリンジャーバンドでは-2σ割れから反発しており、目先では戻りを試す展開が見込まれる。
一方、同日のBTC先物市場では、相場のトレンド反転時に見られる数千万ドル相当のロングポジションの清算は確認されず、無期限先物市場の資金調達率(fr)もマイナスに振れることはなく、売りが出尽くしたかと言えば微妙な動きだった。市場のポジションがロングに偏った状態が解消されていなかった場合、相場は上値を限定される可能性がある。
他方、イーサリアムのファイナリティ問題はパッチがリリースされ、アルトコインも足元買い戻されてはいるが、米債務上限問題を巡り12日に予定されていた協議が延期されたり、ミシガン大学が集計した5年先のインフレ期待が12年ぶりの高水準になったりと、米国債利回りが上昇しており、マクロの側面ではBTCに向かい風が吹く状況と言える。
米債務上限を巡るバイデン大統領とマッカーシー(共)下院議長らの協議は本日行われる予定だが、期限となる月末まで議論が引き延ばされることが想定され、不透明感から今週も積極的なリスクテイクは期待できないか。
今週のBTCはある程度のテクニカル的な買い戻しが想定されるが、上値目途はせいぜい一目均衡表の基準線(27,924ドル≒379.4万円)、節目の28,000ドル(≒380.4万円)やボリンジャーバンドのセンターライン(28,228ドル≒383.6万円)が密集するエリアと見ている。




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bitbank Report 2023/05/15:BTCはカラカサ出現も微妙な動き 今週も不透明感が続くか