BTCは上げ幅を綺麗に解消 レンジ下抜けもありえるか?

17日〜23日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比356,737円(8.78%)安の3,705,607円と反落し、前週の上げ幅を綺麗に掻き消した。
米株の軟化によりドル建てで2021年安値(28,800ドル≒386.1万円)の維持に失敗したBTC相場は、金曜日に28,000ドル水準となる376万円周辺で下げ止まった。しかし、この日発表されたS&Pグローバルの4月米総合購買担当者景気指数(PMI)の速報値が上振れると、FF金利先物市場では利下げが始まるタイミングの予想が9月から11月にずれ込み、米株に下押し圧力が掛かり、BTCもジリ安に転じロングの投げを伴って364万円まで下げ足を速めた。
一方、37,000ドル周辺となる同水準でBTCは下げ止まると、週末は弱々しくも戻りを試し370万円を回復。足元では28,000ドル水準となる375.4万円にワンタッチしている。

先週の下落により、BTCの対ドル相場は3月18日から4月9日にかけての26,500ドル〜29,000ドルレンジに押し返され、足元では同レンジの中盤で推移している。4月10日のブレイクアウトまで3週間近く揉み合った同レンジでは流石に下げ止まるかと指摘したが、相場を取り巻く環境はあまり芳しくないと言える。
景気後退懸念が燻りリスク選好度が萎縮していたが、経済指標の上振れを受けても米株の上値は重く、どちらに転んでもBTC相場には向かい風となっている。こうした背景には、利上げ停止と利下げ開始のタイミングを巡る強い不透明感が指摘され、今週金曜の3月米個人消費支出(PCE)価格指数や、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過しなければ相場反転の切っ掛けに乏しい状況が続きそうだ。
また先週から指摘の通り、BTCの無期限先物市場では資金調達率(fr)がプラスに振れた状態が続いており、買い持ち(ロング)への需給の偏りが相場の上値を抑えると同時に、ポジション解消による潜在的な売り圧力を生んでいる。足元のfrは先週と比較して低い水準で推移しているものの、依然としてプラスで推移しており、需給均衡は改善仕切っていないと指摘される。
レンジ下限(26,500ドル≒356万円)や節目の27,000ドル(≒362.8万円)が目先のサポートとして視野に入るが、一目均衡表の雲上限が位置する節目の26,000ドル(≒350万円)までの調整の可能性も想定しておきたい。



