上値トライ連続失敗のBTC 今週は材料目白押し

8日〜14日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比115,948円(3.70%)高の3,246,424円と6週続伸。もっとも、相場は25,000ドル(≒333万円)周辺の抵抗帯上抜けを何度か試したが、いずれも失敗に終わっており、安値圏での揉み合いが継続している。
ショートスクイーズで320万円台に乗せ幸先の良いスタートを切った先週のBTC相場だったが、ミキシングサービスのTornado Cashに対する米財務省の制裁や、7月米消費者物価指数(CPI)への警戒感から相場は上値を重くした。ただ、対ドルで23,000ドル水準となる310万円周辺で買い支えられると、米CPIがヘッドラインとコア指数共に前月から減速したことで相場は反転上昇し330万円を目指した。
11日に発表された7月米卸売物価指数(PPI)に至っては前月比で-0.5%と予想外の低下となったが、インフレ沈静化の持続性や、米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢の変化を巡って見極めムードも広がり米長期金利が急上昇。BTC相場はこれに逆行安となる格好で上げ幅を縮小した。
一方、週末に差し掛かると、7月のミシガン大学消費者マインド指数の上昇が米株の支援材料となり、BTC相場は連れ高を演じ330万円を試したが、上抜けには失敗。日曜日にも再度上値トライとなったが、失敗に終わっている。


今週も米国の指標を巡って慌ただしい1週間となりそうだ。先週も指摘の通り、8月NAHB住宅市場指数(15日)、7月住宅着工件数(16日)、7月住宅販売件数(18日)と住宅市場に関する指標が数多く控えている。米住宅はFRBによる政策引き締めで打撃を受けているが、需要抑制は利上げペースにブレーキを掛け得る材料となるため、BTCには支援材料となるか。
さらに、今週は大手小売業決算(Home Depot、Walmart、Target)と7月米小売売上高(17日)、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(18日)の公開も控えている。7月のインフレ抑制で小売業はある程度の堅調さを示すと見ているが、FOMC議事要旨には注意したい。7月のインフレが沈静化の兆しを見せたが、FOMCメンバーらの姿勢が揺らぐ様子は見られず、夏以降にも積極的な利上げを続ける議論があった可能性は排除できなく、週後半からはリスク選好度が低下するシナリオに注意したい。
他方、テクニカルの側面では、BTCは日足一目均衡表の雲上限を試す展開となっており、上抜けに成功すれば強い買いシグナルとなる三役好転を示現する見通しだ。相場が三役好転を示現すれば、テクニカル的にはトレンド転換が示唆され、上値を追う展開も視野に入る。予てから指摘の通り、BTC相場が保ち合い上放れとなれば、6月の下げ幅を解消し2,8800ドル〜32,000ドルエリア(≒384万円〜426万円)まで上昇余地があるだろう。


