中国規制に揺れるビットコイン 値を戻す余地はあるのか?
25日のビットコイン(BTC)対円相場は65,631円(1.54%)安の4,188,567円と反落したものの、心理的節目の400万円は終値で維持し、対ドルでは38,000ドル台前半での推移となっている。
この日のビットコインは概ね上値が重くも底も堅い展開。前日は北米マイニング評議会の設立や、レイ・ダリオ氏のビットコイン保有を歓迎し420万円を奪回したが、北米マイニング評議会に関しては徐々に中央集権化の懸念も上がる結果となっている。
昨日は、中国での新たな規制思惑への懸念が残る中、ビットコインは1時間足の200本移動平均線がレジスタンスとなり失速。欧州時間には、世界的にも著名な取引所で創業者が中国籍のByBitが来月15日に中国の電話番号を登録するアカウントの利用を停止すると発表し、相場は一時400万円を割り込んだ。しかし、米時間に入ると、PwCのビットコインに強気なレポートが業界メディアで取り上げられたことや、金(ゴールド)相場の上昇も追い風となったか相場は切り返し、終値にかけては再び1時間足の200本移動平均線(≒425万円)をトライする展開となっている。
オンチェーン(ブロックチェーン上の)データによれば、出来高や取引所へのビットコインの流入数はかなりの高水準となっており、相場の底入れが示唆されている。また、米長期金利の下落に伴うドル安もビットコインの支えになっているか。ただ、やはり中国マイニング規制が明確化されその影響が一服するまでは気を抜けないだろう。一部では、既に中国から国外へ事業移転を表明している中華系マイナーもいるが、ビットコインのハッシュレートは、依然、150Ehash/秒周辺の水準を保っており、顕著な影響が出るのはまだこれからという可能性もある。
目先のシナリオとしては、安値拾いやドル安が支えとなり20日高値の468.7万円まで値を戻す展開を想定しているが、中国規制への懸念も燻る中、対ドルで節目43,000ドル絡みとなる同水準では上値が抑えられよう。現地の事情に詳しいツイッターアカウントの中には、中国がマイニングを全面的に禁止する可能性は低いがゼロではないという声もあり、中国規制関連情報には引き続きアンテナを張っておきたい。