LINKに連れ高のETHに連れ高 イベント前日に注意したいポイント
14日のビットコイン(BTC)対円相場は22,712円(1.83%)高の1,260,611円と、高値圏レンジで2日続伸し126万円台を奪回。チャート上では三角保ち合いの様相を呈している(第2図)。前日に続きこの日はドル安となったものの、アジア時間のBTC相場は、一時解消されたビットフィネックスの取引停止が再び再開されたり、YAMプロトコルにバグが検知されたりと、セキュリティー面での悪材料が嫌気されたか上値を重くした。また、昨今のDeFiブームの影響でイーサリアムのGas代(ネットワーク手数料)が過去最高値を更新したと広く伝わると、それまでプラス圏で推移していたETHもマイナス圏へと沈み、BTCも連れて120万円を目指し一時は前日の上げ幅を掻き消す場面も見られた。一方、この日はチェーンリンク(LINK)が最高値を更新、時価総額5位に浮上しビットコインキャッシュを追い抜いた。分散型オラクルのチェーンリンクはDeFiアプリで広く利用される上、ERC-20トークンでもあることからETHの支援材料ともなり、欧州時間序盤にはETHはこの日のプラス圏を回復。ETHは今朝方に更に一段高、金相場の反発も追い風となりBTCはプラスに転じた。
ETHのGas代高騰は17年のクリプトキティーブームやバブルを彷彿とさせ、DeFiの盛り上がりも落ち着きを見せるか注視したい。ただ、ETHは先日、イーサリアム2.0のフェーズゼロ・テストネットを公開するなど、ネットワークの改善に向けて前進しており、将来的にはGas代の安定化やネットワークの混雑解消が期待される。
明日15日は米中通商第1段合意の履行を検証する米中閣僚級協議を控えている。米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は昨日、通商代表のライトハイザー氏が現状の進捗に満足を示していると発言しており、当方が予想していたような関係悪化シナリオは免れるか。しかし、今回の協議ではTikTokやウィーチャットを禁止する大統領令も議題になると報じられており、余談は許されず、イベント前となる本日は暗号資産(仮想通貨)に限らず市場全体的に様子見やポジションを手仕舞う動きに注意が必要だろう。また、週末は協議の結果次第で仮想通貨市場は大きく動くことも予想されるため、特に土曜日の動きには注意したい。
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bitbank Report 2020/08/14:LINKに連れ高のETHに連れ高 イベント前日に注意したいポイント