12,000ドルで跳ね返されたBTC 反動局面で過熱感解消か

7月第5週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、122,463円(11.64%)高の1,174,439円と2週続伸し、1年ぶりの高値水準で終値をつけた。月足は7月、213,262円(21.57%)高くなり終値は120万円に乗せた(第1表)。BTCは6月下旬から99万円周辺で膠着相場が続き、7月には10日物ヒストリカルボラティリティー(HV)が10%、ボリンジャーバンドウィズが0.04をそれぞれ割り込み、18年末ぶりに記録的な低ボラティリティー相場となった。しかし、時期大型アップデート(セレニティー)フェーズゼロのテストネット公開予定が8月に迫り、DeFiブームによりネットワーク利用数が増加しているイーサリアム(ETH)に買いが入ると、BTCも連れ高に。そこに、米通貨監督庁(OCC)が連邦政府公認の銀行に暗号資産(仮想通貨)カストディー提供の青信号を出したことや、米金融取引業規制機構(FINRA)がグレイスケールインベストメンツのビットコインキャッシュ(BCC)とライトコイン(LTC)投信を承認したことが手掛かりとなり、市場は上昇。BTCは26日、対ドルで心理的節目の10,000ドルにタッチすると、週明け27日に急伸し、11,000ドル台に乗せた。この他、米中摩擦の悪化を懸念し商品先物市場では金先相場が連日高値を更新するなど、先週はリスク回避の動きもBTCの追い風に。また、米国で個人への第2段現金給付も固まり、仮想通貨市場への資金流入が想起される状況となった。


仮想通貨独自の材料、外部ファンダメンタルズ、更には保合い上放れと、ファンダとテクニカルの両面でBTCには良好な相場環境となり、先週は27日の急伸後にも過熱感を伴いながら買いは続いたが、週末のBTCは対ドルで12,000ドル(≒127.5万円)にタッチすると一気に利食い売りが入りロングの投げを巻き込み一時は116万円まで急反落。久しぶりに相場の方向感が示されたことで、若干、FOMO(相場の上昇に取り残される恐怖)気味に上昇していたが、ここにきてその反動がきた模様だ。
一方、相場は日足ベースで上昇バンドウォークと三役好天を維持しつつ、一時は85%まで上昇した。RSIは、足元、65%まで低下し、テクニカル的に強気のチャート構造を保ちつつ過熱感は後退。先週は、「トレンド開始の切っ掛けとなる大陽線のあとは日柄調整」と予想したが、値幅調整が入りちょうどその当時の水準付近まで相場が押した格好で、同水準(116万円〜117万円)では引き続きトレンドフォローの買い支えが入り底堅い展開が期待されよう。






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bitbank Report 2020/08/03:12,000ドルで跳ね返されたBTC 反動局面で過熱感解消か