今週も5000万ドルを超えるショートの清算が発生、短期的な上昇には達成感も出る

今週の値動き

- 今週のビットコインは11月5日の523万円から取引が始まりました。週始めは揉み合う展開となり、24時間移動平均線(EMA)近辺で推移する動きでした。水曜日になると、再度買われ始め価格が上昇し始めました。木曜日の夜には年初来高値となる572万円まで上昇。高値を記録した後に利確売りが発生し、540万円まで下落する動きもありました。一方、現在は再び底堅い動きとなり24EMAの上位で推移しています。今週は高値圏では強い売りもみられましたが、まだ買いが先行している相場となりました。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの資金調達率(FR)は、足元で大きなプラスで推移しています。今週は一時0.025%を超える場面もあり、無期限先物取引でロングポジションの比率が上昇しています。今年の最も高い水準にあり、相場には過熱感も出てきていることを示唆しています。
2.ロング・ショート清算
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- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で大きな清算が発生しました。昨日だけでも5000万ドルを超えるショートの清算が発生しており、価格の上昇の背景にはショートの踏み上げがありました。大きなショートの清算が発生したため、短期的な上昇には一服感が出てきています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は拡大傾向にあります。今週は一時8%を超える水準まで上昇しました。3ヶ月先の先物乖離率は、今年最大となっており、投機筋の価格の見通しがかなり上振れていることを示しています。これまで最も高かったのは7月頃の5%でした。先物価格の乖離率が10%を超えてくるとバブル相場の可能性が高まるため、高値警戒が必要になります。
今週のオンチェーン
1.マイナーネットポジション
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- マイナーが保有するアドレスにおけるBTCの数量は足元で減少傾向にあります。価格が上昇したことを受け、ビットコインの大きな供給元であるマイナーは現金確保に動いていることを示唆しています。マイナーのアドレスから現物が流出しているのは、約1ヶ月ぶりとなります。こちらの指標は短期的な相場の天井でマイナスとなる傾向があり、需給の悪化を示唆しています。
2.含み益アドレス割合
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- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合は、今週83%で推移しています。足元の価格上昇で8割以上の投資家の含み益が出ています。現在は相場が強いため利確売りは限定的ですが、価格が下向きに推移した際は利益を確定しようとする動きが強くなることが予想されます。その際は下落方向への動きが大きくなる可能性があります。
まとめ
- 今週のビットコインは最高値となる572万円まで上昇しました。買いが先行している相場が継続し、4週連続の陽線も見えてきました。デリバティブ市場ではロングポジションの偏りが進行し、ショートポジションの大きな清算も確認されていることから、短期的には調整相場入りする可能性があります。オンチェーンデータでは、マイナーからの現物売りが示唆され、需給の悪化が懸念されます。高値圏では強い売りも確認され、来週以降は価格が揉み合う展開も予想されます。