Bitcoin Weekly Review: 先週の価格急落で含み益割合は50%割れ、今年最低水準
今週の値動き
- 今週は226万円近辺から取引が始まりました。先週の最安値から始まったため、買い戻しが入り序盤は底堅く推移しました。一方240万円手前にレジスタンスがあり、上値が重く推移する場面もありました。
- 現在は24時間平均となる24EMA(234万円)の上位で推移しています。このまま移動平均線の上位を維持し、レジスタンスを抜けることができるか注目です。抜ける事ができなければ、再度安値を試す展開が予想されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- 先週は価格の急落により資金調達率(FR)が大きくマイナスになりました。多くのロングポジションが解除されたと見られ、ショートポジションの比率が一時的に上昇しました。一方、今週は再度FRがプラスで推移し始めており、現在は0.004%程度で推移しています。FRの推移を見る限り、まだ安値圏でロングポジションを持つ投機筋がいることが確認されています。チャート事態が弱気な状態でロングポジションが積まれている状況は、更なる下落を招く可能性があることを示唆しています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算はさほど多くありませんでした。先週は、かなり大きく価格が動きましたが、今週は思いのほか小幅な値動きとなりました。先週、価格が急落した際に3000万ドルを超えるロングポジションの清算がありましたが、今週はロングポジション・ショートポジション共に500万ドルに満たない精算額となりました。ここ半年間では大きく清算が発生した際はロングポジションで5000万ドル級の清算もあり、先週もさほど大きな清算とは言い難い状況です。更なる清算が走る可能性には注意したいところです。
3.未決済建玉
- 先物取引の未決済建玉は、キャッシュマージンとBTCマージン共に足元で減少しています。先週価格が下落した際にロングポジションの清算が入った事が要因と見られます。一方、キャッシュマージンとBTCマージンはここ半年間で増加傾向にあり、まだその増加分を解消したとは言えません。300万円近辺で積まれたロングポジションはまだ残っていると見られ、下落した際の燃料となる事が懸念されます。
4.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離も先週の価格急落時に大きくマイナスで推移していました。一時は-4%まで下落し今年の最低値を更新しましたが、足元では僅かにプラスで推移しています。これらの動きを見る限り、デリバティブ市場では安値圏でロングポジションを保有する投機筋はまだ少なくないようです。現在の乖離率は0.3%程度で推移しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移
- 現在の取引所保有BTCはFTX破綻の影響から全体的に減少しています。大手取引所で取り付け騒ぎが発生したことで、ユーザーの引き出しが活発化しています。ここ1週間で10万BTC以上が取引所から流出しています。海外の取引所では出金を一時停止するなどの措置を取る業者もあり、資産が凍結されることには注意したいところです。今後も取引所からの流出傾向は続くと予想されます。
2.含み益アドレス割合
- 含み益アドレス割合は足元で一時50%を割り込み、今年の最低値を更新しました。先週の価格下落でさらに多くのアドレスで含み益が減少する結果となりました。50%割れはヒストリカルで見ると、下落トレンドが反転する傾向があります。この指標だけを見れば、相場の底が近いと考えられます。
まとめ
- 今週は価格が反発していますが、小幅な上昇に止まっており週足では3.5%の上昇です。現在のレジスタンスを抜ける事ができるか注目です。
- デリバティブ市場では、まだロングポジションを持つ投機家がいる事が確認されています。今後、価格が下落した際には清算を巻き込んで下げ足を早める可能性があります。
- オンチェーンデータでは取引所からのビットコインの流出が堅調です。現在の相場には信用不安が広がっており、連鎖的な取り付け騒ぎなどのトラブルに巻き込まれないよう注意しましょう。