BTC週足続落も長い下ヒゲで底打ち感 トランプの給付金計画に反応

3日〜9日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比91万5812円(5.37%)安の1612万9907円と2週続落したが、安値からは6.47%反発しており、1600万円以下では底堅さも窺えた。
週前半のBTC円は、米国の景気やAIバブルに対する懸念から1700万円を割り込み、1550万円周辺まで下値を広げた。これによりドル建てBTC相場が節目の10万ドル(≒1538万円)を割り込んだことで、その後は買い支えられるも、米景気懸念が燻るなか、戻りは限定的となり、7日には再び10万ドル水準を割った。
しかし、この日発表された米ミシガン大学調査で、消費者信頼感指数と5年先のインフレ期待が低下したことで、米債利回りが低下すると、相場は1600万円まで反発した。
週末は小緩む展開となり、1560万円周辺で推移するも、9日にトランプ米大統領が個人への2000ドル配布計画を発表すると、BTCは1600万円を回復した。

BTCドルが「4日の下げ幅を奪回できれば上出来」と指摘したが、本日の上昇で10万6000ドル(≒1631万円)をクリアし、奪回に成功した。トランプ氏が計画する2000ドルの給付計画は、実現の可否や時期については決まってはいないものの、コロナ禍での給付金による資産価格の上昇が想起された格好だ。米国ではコロナ禍で3度の現金給付がされており、第一弾では1200ドルと子供の数につき500ドルが給付された。当時はコインベースなど米国の主要な取引所にて1200ドル分のBTCの購入注文が増加したとの報告もあり、直接的な現金給付は暗号資産(仮想通貨)にはプラスだ。
一方、週末の間に米議会でもつなぎ予算案を巡って進展があった。ジョン・スーン共和党上院院内総務は9日、現状打破に向けた合意が形成されつつあると述べた。更に今朝方には、上院で政府機関の閉鎖を終わらせるための法案を前進させる手続きが可決された。
政府機関の閉鎖によって今週も公的機関からの経済指標の発表が延期され、材料に乏しい1週間となる可能性があったが、政府機関が再開すれば、それ自体が好材料となり得るか。10月上旬には政府閉鎖がBTC相場の追い風となったが、足元ではそれによる経済への影響が懸念されており、再開はリスクオンと見てよいだろう。
他方、今週本来発表される予定の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)などは、閉鎖が解除された場合でも発表は延期される公算が高い。9月のCPIが10月に発表されたのは、政府閉鎖が始まる以前にデータの集計が終わっていたからであり、13日までに閉鎖が解除されたとしても、フィールドワークを要するデータの収集を行わなくてはならない。
よって、今週は経済指標よりも米上院がつなぎ予算案を実際に可決するかが数少ない材料となりそうだ。実現できれば、BTCは10万6000ドル台の抵抗帯を突破し、11万ドル(≒1692万円)を試す余地があると見ている。




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bitbank Report 2025/11/10:BTC週足続落も長い下ヒゲで底打ち感 トランプの給付金計画に反応









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