木曜日アノマリー再び 期待インフレはついに3%台に

21日のビットコイン(BTC)対円相場は97,437円(1.84%)安の5,204,790円と二日続落。
ドル円相場の反動安(ドル安円高)を受け、20日のBTC対円は530万円台で上値を抑えられる場面もあったが、欧州株の上昇を受けて切り返し540万円にタッチ。その後、原油価格の一時的な下落や米株の下落を受け520万円台前半まで反落したが、対ドルで節目の41,000ドルとなる同水準で反発し、21日の東京時間には530万円台中盤まで戻すと、テスラの好決算を受けてナスダック指数先物が上伸、BTCも連れ高となり、米市場寄付きには550万円にタッチした。
一方、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がこの日行われた国際通貨基金(IMF)のイベントで、政策金利に関して「中立な水準まで迅速に引き上げる」と発言したことを受け、米株が急落。ナスダック指数は直近安値を割り込むほど強く押し、BTC相場は連れ安の様相で米時間は下げ一色に終始。今朝方には510万円にタッチしている。


「魔の木曜日」アノマリーがまた現実となった。やはり、パウエルFRB議長から政策引き締め加速に関して発言があり、5月の米連邦公開市場委員会での50ベーシスポイント利上げ検討は勿論、同氏は米経済が「非常に強い」と強調しバランスシート縮小開始の可能性も仄かしたと言えよう。
ただ、イベントでは物価安定の目標が強調された一方で、昨日は市場の期待インフレ率を示すブレークイーブンインフレ率(BEI)が実質金利の反落を反映して上向いており、10年物BEIはついに3%台に突入した。今週は、ネットフリックスの10年ぶり登録者減少を受けたナスダック指数の想定以上に軟調な推移もあり、リスクオフムードにつられる場面もあったBTCだが、期待インフレ率の底上げは相場にとってプラスに作用すると見ている。


