今週の「魔の木曜日」は要人発言が集中 BTCには重石となるか

19日のビットコイン(BTC)対円相場は181,948円(3.51%)高の5,366,366円と二日続伸。対ドル相場は41,000ドル(≒529万円)を回復した。
シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして取引を開始したことで、窓埋めを目指し週明けから上値を重くした相場は、日経平均株価の下落を眺め更に下げ足を速め、一時は489万円まで押したが、窓埋めを完了したことで海外時間から戻りを試すと、リビア国営石油会社(NOC)が、日におよそ7万バレルを製造するリビア国内最大級の油田を停止すると発表し、供給不安定化懸念から原油価格が上昇。これを受けて米期待インフレ率が上昇すると、BTCはショートの清算を伴い反転上昇し520万円にタッチした。
19日の相場は、ドル円相場の128円台乗せの影響でジリ高となり520万円を回復すると、オーストラリアで初のビットコイン上場投資信託が来週にも上場されるとの報や、米株の反発を受け530万円中盤まで一段高を演じた。


今週もセントルイス地区連銀のブラード総裁や、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁らから利上げについてタカ派的な発言が相次いでいるが、期待インフレ率はジリジリと上昇し始めており、BTC相場への影響も限定的だ。昨日は国際通貨基金(IMF)のレポートで世界の成長率が下方修正され、原油価格への打撃となったが、供給逼迫や不安定化がこの先も価格の下支えとなろう。本日には米地区連銀経済報告書(ベージュブック)も公開され、幅広い地区で物価上昇ペース加速が指摘されると見ており、これを受けて期待インフレ率の上昇に拍車が掛かれば、BTC相場にはプラスとなるか。
一方、明日木曜日の米時間にはベイリー、パウエル、ラガルドの主要3カ国中銀総裁がIMFのイベントで発言する予定となっており、特に引き締めを加速する米中銀総裁からはタカ派な発言が出る公算が高いか。奇しくも、今年のBTC相場は木曜日に下がりやすい傾向があり、主要国中銀総裁の発言が足元の相場回復基調に水を差す可能性に注意したい。



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bitbank Report 2022/04/20:今週の「魔の木曜日」は要人発言が集中 BTCには重石となるか