5万ドル巡る攻防、強気派に軍配 ETH20万円乗せで高値更新

18日のビットコイン(BTC)対円相場は67,393円(1.22%)安の5,460,798円と小幅に反落。前日の相場は520万円周辺から一段高となり初めて550万円台に乗せ、対ドルでは52,000ドル台前半と、大台の50,000ドルを巡る攻防は強気派に軍配が上がった。
ブラックロックのBTC投資検討や、マイクロストラテジーのBTC購入を目的とした社債の発行額引き上げなどを受けて上昇したBTC相場だったが、昨日の東京市場では552万円から556万円のレンジで上昇一服の様相を呈した。その後、取引が活発になり始める欧州市場からは利食い売りに押され、一時は51,000ドル(≒539万円)を割り込む場面もあったが、この日もロビンフッドの現物暗号資産(仮想通貨)提供開始や、パーパス・ビットコインETFが上場初日から大商いになったとブルームバーグが報じるなど、好材料に支えられ、相場は下げ幅を縮小。ただ、NYの引け後からは買いが続かず、540万円後半で子甘く推移している。
一方、BTC5万ドル突破の達成感からか昨日はアルトコインに資金が流れ、時価総額第2位のイーサリアム(ETH)の対円相場は東京市場時間に初めて20万円台に乗せ、終値は前日比9,367円(4.78%)高の205,367円となった。

BTC相場の50,000ドル乗せにはもう少し時間がかかるかと指摘したが、このところ連日のように湧き出てくる好材料と、インフレ高進警戒が相場を押し上げた格好だ。株式市場では長期金利や実質金利の上昇を警戒する声もあるが、期待インフレ率(BEI)が高水準で推移し続ける間は、やはり一定のヘッジ需要を生みそうだ。

先日懸念を示したBTC相場の短期物ヒストリカルボラティリティ(HV)上昇(相場過熱感のサイン)に関しては、10日物HVが低下し100%を割り込んでいる(第2図)。しかし、30日物HVは依然として100%を超えており、過度な楽観は禁物だろう。加えて、相場の50,000ドル乗せに顕著な出来高の増加も伴っていないため、テクニカル的に一旦相場が強く押してもおかしくないだろう。
もとより相場が持続性を持って上昇し続けるには、エネルギーを溜める期間が必要なもので、今度こそBTC相場は値固め局面に入るか。





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bitbank Report 2021/02/19:5万ドル巡る攻防、強気派に軍配 ETH20万円乗せで高値更新