CFTCが海外取引所役員を告訴 今週は匿名系アルトコインが高い

10月1日のビットコイン(BTC)対円相場は13,635円(1.2%)安の1,123,999円と2日続落。前日東京時間(9月30日)の米大統領候補テレビ討論会中は、狭いレンジ内で下値を模索したBTC相場だったが、その後は一部アルトコインと金相場の上昇が支えとなり、113万円から反発。米民主党が本日採決を目指す2.2兆ドル規模の経済対策案への期待から米主要3指数もこの日は反発し、こうした流れの中でドルが弱含んだこともBTCの支援となった。
昨日もNY時間序盤までは概ねこうした流れが続き相場は一時115万円にタッチしたものの、米商品先物取引委員会(CFTC)がマネロン防止策の実行維持を故意に怠ったとして、香取引所ビットメックスの役員4人を銀行秘密法違反の疑いで告訴したことに加え、連邦捜査局(FBI)が内1人でCTOのサミュエル・リード氏を現地時間朝方に逮捕したと伝わると、相場は110万円周辺まで一気に急落した。

欧州(EU)での規制関連報道に市場は反応薄だったが、国外からも資金が集まる人気デリバティブ取引所であるビットメックに対するCFTCの告訴はインパクトが大きい。海外大手取引所の中には、米国で正式にライセンスを取得しメインの取引所サービスとは切り離して米国でサービス提供をしているものもあるが、今後もこうしたケースが再浮上する可能性もある。ただ、こうした規制絡みの売りは基本的に一時的な相場下落に終わることがほとんどであり、今回は下げ幅としても決して驚くほどの下落ではなかった。
また今週は、米ジェミナイのジーキャッシュ(ZEC)匿名出金サービス開始の発表を皮切りに匿名系銘柄に買いが入っており、比較的古参銘柄であるZEC、モネロ(XMR)、ダッシュ(DASH)相場が上昇している。加えて、ライトコイン(LTC)が匿名プロトコルのMimbelWimble(MW)実装のテストネットを一部開発者を対象に公開するなど、今週は「匿名性」がテーマの銘柄が高い。LTCとXMRは時価総額上位に位置する銘柄であることから、BTC相場の支援にもなっていると指摘される。
為替と金相場の動きだけ見れば、今週はドル安と金相場の反発でBTCは上値を伸ばしていてもおかしくなかったと言えるが、週明けの大口送金検知と昨日のビットメックス告訴という想定外の内部要因で上値を抑えられた格好だ。ただ、上述の通り、規制絡みの売りは一時的と見ており、アルトコインも個別材料で買われている状況であることに鑑みれば、BTC主導での市場の急落は回避できるか。今夜は米雇用統計発表予定のため引き続き為替主導のボラティリティー上昇には注意を要するが、ドル安が進行すればBTCは早々に復調できると見ている。





