BTC相場はハッシュレートに逆行高 CME建玉急増で機関投資家マネー流入
5月第3週(11日〜17日)のビットコイン(BTC)対円相場の終値は9.98万円高(+ 10.67%)の103.5万円とおよそ3ヶ月ぶりに週足終値で節目の100万円を回復した。12日朝方のBTC半減期を目前にロングの投げとロスカットで107万円から一時は86万円まで急反落した相場だったが、イベント通過後はハッシュレートが下落した一方、米国立アレルギー・感染症研究所所長が新型コロナウイルス感染拡大第2波の警鐘の鳴らしたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、13日の講演にてコロナショックの経済への影響が長期化するとの見解を示したことと、追加財政出動の可能性に言及したことが相場の支援材料となった。これにより、相場は12日から14日の間に13万円ほど戻し、9日から11日の下げ幅を一気に奪回。15日には利益確定売り主導で100万円をわずかに割り込んだが、週末の相場は押し目買いが入り反発した。
今週のBTC対円相場は値固めから上昇をメインシナリオと想定する。ハッシュレートの下落に対し相場は高値圏で揉み合っており、20日朝方予定の調整でディフィカルティーは5%ほど下落する見通しで、マイニング収益性の改善が期待される。また、12日時点のシカゴマーケンタイル取引所(CME)BTC先物の総建玉は、前週比+ 2155の9939と急増し、ファンド勢のポジションはロングとショートの双方が過去最高枚数を大幅に更新した(第1図)。12日はBTCが半減期を迎えた日となるが、イベントを切っ掛けに機関投資家の関心度が上がっている模様で、市場に新たな資金を呼び込む材料となってもおかしくない。
本日から2日間の日程で開催される世界保健機構(WHO)総会にも注目している。新型コロナウイルス感染拡大後初の開催となる本総会では、台湾のオブザーバーとしての参加や、中国とWHOの新型コロナに対する対処を巡り、米中が衝突する公算が高い。足元では、年明けに改善傾向にあった通商関係も悪化しており、さらなる関係悪化がリスクオフシナリオを生み出せば、BTCにはプラスに働くか。
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bitbank Report 2020/05/18:BTC相場はハッシュレートに逆行高 CME建玉急増で機関投資家マネー流入