FRB高官発言でBTC急反発 ビットコインETF巡り新たな動きも

28日のビットコイン(BTC)対円は555.1万円で寄り付くと、取引材料に乏しく550万円周辺まで軟化した。一方、欧州時間に入ると相場は前日安値周辺で下げ渋り、米時間序盤にはS&Pケースシラー住宅価格指数の下振れによる米債利回りの低下を受けて555万円を回復。その後、米連邦準備理事会(FRB)ウォラー理事が向こう数ヶ月で利下げを開始できる可能性について言及すると、米債利回りは一層低下し、BTCは560万円台中盤まで急伸した。しかし、これによりBTCはドル建てで節目の38,000ドル(≒557.8万円)を回復すると、今朝方には利益確定売りが入り上げ幅をほぼ解消。ビットコインETFの早期承認期待で下げは限定されたが、終値での38,000ドル上抜けには失敗した。


昨日は米証券取引委員会(SEC)がフランクリン・テンプルトンとハッシュデックスのビットコインETFの判断を延期し、パブリックコメントと反証の募集を開始した。両社のETFの次回判断期限は来年1月1日だったが、SECが審査プロセスを前倒しした格好だ。反証の提出期限は今回のSECの判断延期を告げる書類が連邦官報に登録されてから35日間となり、1月中に他社のビットコインETFと同時に承認判断を下す地均しをしている可能性が浮上しており、本日はETFの早期承認期待がBTC相場の支援となろう。本日は米第三・四半期GDP成長率やPCE価格指数の改定値といった重要指標の発表も控えており、BTCは終値での38,000ドル乗せも視野に入る。ただ、米債利回りは直近強く押しており、指標が上振れた場合は反動で利回りが急反発する可能性にも注意しておきたい。



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bitbank Report 2023/11/29:FRB高官発言でBTC急反発 ビットコインETF巡り新たな動きも