BTCはネックライン維持失敗 米雇用統計に懸念も

5月31日のビットコイン(BTC)対円は3日続落。週明けからダブルボトムのネックライン(27,678ドル≒385.9万円)を意識する値動きが続いたBTC相場だったが、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁が「利上げを止める説得力のある理由はない」とFTとのインタビューで発言すると、相場は同水準を下抜けし、27,000ドル水準(≒376.5万円)まで押した。米時間には、4月のJOLTs求人件数の上振れが相場の重石となり、BTCはドル建てで27,000ドルを一時的に割ったが、ハーカー氏とジェファーソン氏の二人の米地区連銀総裁が6月の利上げ見送りの可能性について言及すると、相場は下げ止まり、終値では27,000ドルを回復した。


二人の地区連銀総裁のハト派的な発言を受けて、FF金利先物市場で6月の追加利上げの織り込みが6割から3割まで低下したが、BTC相場の反応は鈍かった。これは以前にも指摘した通り、ネックラインの明確な下抜けによるテクニカル的なセンチメントの悪化が寄与していると指摘され、目先のBTCは週末の上げ幅を解消する展開か。また、昨日のJOLTs求人件数の結果を受けて明日の雇用統計への警戒感も強まっていると言え、今朝方の米債務上限法案の下院通過も相場には俄かにほぼ無風だった。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げの有無は、明日の雇用統計が大きなヒントになると指摘され、本日のBTCは上値の重い展開が想定される。


