ビットコイン連動株の選び方5つ|NISAも解説

ビットコイン連動株を調べている人のなかには、「ビットコインと同じように値動きする株なのか」「NISAで保有できるのか」と疑問に感じている人もいるでしょう。
ビットコイン連動株は、ビットコイン価格や暗号資産市場の動向から影響を受けやすい株式を指す一般的な呼び方です。
ただし、ビットコイン価格へ機械的に連動するよう設計された株式ではありません。
企業が保有するビットコインの量、関連事業の割合、本業の業績、財務状況、資金調達、市場全体の需給などによって株価の反応は変わります。
また、一定の上場株式や投資信託はNISAの成長投資枠で保有できる可能性がありますが、ビットコインそのものはNISAの対象商品ではありません。
この記事では、ビットコイン連動株の種類、値動きの仕組み、NISAで確認すべき点、比較するときの5つの基準を解説します。
ビットコイン連動株とは

ビットコイン連動株とは、ビットコインの価格変動や暗号資産市場の拡大・縮小によって、業績や企業価値が影響を受けやすい上場株式のことです。
法律や証券市場で定められた正式な商品分類ではなく、「暗号資産関連株」や「ビットコイン関連株」と呼ばれる場合もあります。
正式な金融商品の分類名ではない
「連動株」という名前から、ビットコイン価格と株価が同じ方向へ同じ割合で動くと考えるのは適切ではありません。
株式の価値には、企業の売上高、利益、資産、負債、事業計画、発行済み株式数などが反映されます。
企業がビットコインを多く保有していても、本業の業績が悪化したり、新株発行で1株当たりの持分が変化したりすれば、ビットコイン価格とは異なる動きをする可能性があります。
ビットコイン連動株は、ビットコイン価格の影響を受けやすい株式であり、価格連動を保証する商品ではないと理解しておきましょう。
ビットコインへの関わり方によって連動性が異なる
ビットコインとの関係は企業ごとに異なります。
ビットコインを主要な保有資産としている企業は、保有資産の評価額を通じて影響を受けやすくなります。
暗号資産の取引や決済を支援する企業は、取引量、利用者数、手数料収入などを通じて影響を受けます。
マイニング企業は、ビットコイン価格に加えて、電力費、設備性能、採掘難易度、受け取れる報酬などの影響を受けます。
同じビットコイン連動株として紹介されていても、どの経路でビットコインと関係しているのかを分けて考える必要があります。
ビットコイン連動株の主な種類

ビットコイン連動株は、企業とビットコインの関わり方によって主に4つのタイプに分けられます。
分類を確認すると、ビットコイン価格が企業価値へ影響する経路を把握しやすくなります。
ビットコインを保有する企業
企業の資産としてビットコインを保有するタイプです。
保有量が多く、企業の時価総額や純資産に占める割合が高いほど、ビットコイン価格の変動が企業価値へ反映されやすくなります。
ただし、企業がビットコインを購入するために借入れや新株発行を行っている場合は、負債や発行済み株式数も確認する必要があります。
保有するビットコインの評価額が増えても、株式数が大きく増えていれば、1株当たりの価値が同じ割合で増えるとは限りません。
マイニングを行う企業
ビットコインの取引を検証し、ブロックチェーンへ記録する作業に参加する企業です。
マイニング企業の収益には、ビットコイン価格のほか、採掘できた数量、設備性能、電力費、設備投資額などが影響します。
ビットコイン価格が上昇している場面でも、電力費や設備更新費が増加すれば、利益が伸びない場合があります。
価格だけでなく、売上原価、営業キャッシュフロー、設備投資の負担も確認することが重要です。
暗号資産の取引・決済に関わる企業
暗号資産の取引環境、決済、保管、システム開発などに関わる企業です。
このタイプはビットコインを直接保有していなくても、暗号資産市場の取引量や利用者数が収益に影響することがあります。
企業全体のなかで暗号資産関連事業が占める割合が小さい場合、ビットコイン価格との連動性は限定的です。
関連事業を行っているという情報だけで判断せず、決算資料にある事業別の売上高や利益を確認しましょう。
関連企業を組み入れる投資信託やETF
暗号資産関連企業を複数組み入れる投資信託やETFもあります。
個別企業だけを保有する場合と比べて投資先を分散できますが、組入銘柄や運用方針によってビットコインとの連動性は変わります。
ビットコイン関連企業に集中しているのか、金融、半導体、情報技術など幅広い企業を含むのかを確認する必要があります。
NISAで保有できるかは、商品が成長投資枠の対象であることに加え、利用する金融機関が取り扱っていることも確認してください。
ビットコインと株価が完全には連動しない理由

ビットコイン連動株の株価は、ビットコイン価格だけでは決まりません。
企業業績、財務状況、資金調達、株式市場の動向などが同時に反映されるため、ビットコインとの値動きがずれることがあります。
企業の業績や財務状況が反映される
株式は企業の持分を表す金融商品です。
企業がビットコインを保有していても、本業の赤字が続いている、現金が不足している、借入金が増えているなどの問題があれば、株価の下押し要因になる可能性があります。
反対に、本業の利益が伸びている場合は、ビットコイン価格が下落している場面でも株価が支えられることがあります。
ビットコインへの関連性だけでなく、売上高、営業利益、純資産、営業キャッシュフローなどを確認する必要があります。
資金調達や株式数の増加が影響する
ビットコインの追加購入や設備投資の資金を確保するため、企業が新株や新株予約権などを発行することがあります。
新たな株式が発行されると、企業全体の価値が変わらなくても、既存株主が保有する1株当たりの持分割合は低下します。
ビットコイン保有量だけを見るのではなく、1株当たりの保有量や発行済み株式数の推移も確認することが大切です。
株式市場や為替相場の影響も受ける
関連株は株式市場で取引されるため、金利、景気、株式市場全体の需給、投資家心理などの影響を受けます。
海外株の場合は、現地通貨建ての株価に加えて、円との為替変動も円換算の損益へ影響します。
過去にビットコインと同じ方向へ動いていた株であっても、同じ関係が続くとは限りません。
分析期間や市場環境によって連動性が変わる点を前提に確認しましょう。
ビットコイン連動株はNISAで買える?

一定の条件を満たす上場株式や投資信託であれば、NISAの成長投資枠で保有できる可能性があります。
ただし、ビットコインそのものをNISA口座で保有することはできません。
ビットコインそのものはNISAの対象外
NISAの対象は、つみたて投資枠の基準を満たす一定の投資信託や、成長投資枠の対象となる上場株式・投資信託などです。
ビットコインそのものは上場株式や投資信託ではないため、NISAの対象商品には含まれません。
ビットコインを直接保有することと、ビットコイン関連企業の株式をNISAで保有することは、異なる取引です。
個別株は成長投資枠で確認する
つみたて投資枠の対象は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。
個別の上場株式は、成長投資枠で確認します。
成長投資枠では上場株式や一定の投資信託などを保有できますが、監理銘柄・整理銘柄や、一定の条件に該当する投資信託などは対象外です。
関連株であっても、すべてがNISA対象になるとは限らないため、対象銘柄の情報を確認しましょう。
金融機関の取扱状況も確認する
制度上はNISAの対象となる商品でも、利用している金融機関が取り扱っていなければ保有できません。
特に海外株や海外上場商品は、金融機関によって取扱市場、対象銘柄、注文方法が異なります。
成長投資枠の対象商品であるかと、利用している金融機関でNISA買付ができるかの2点を確認する必要があります。
NISAの損失は損益通算できない
NISA口座で保有した上場株式等の売却益や一定の配当などは非課税となります。
一方、NISA口座で発生した売却損は、税務上なかったものとみなされます。
そのため、課税口座で発生した利益との損益通算や、損失の繰越控除はできません。
値動きが大きくなりやすいテーマ株をNISAで保有する場合は、利益の非課税だけでなく、損失を税務上利用できない点も理解しておきましょう。
ビットコイン連動株の選び方5つ

ビットコイン連動株を比較するときは、銘柄名や直近の値動きだけで判断せず、次の5項目を確認することが重要です。
1.ビットコインへの実質的な依存度を確認する
最初に、企業とビットコインがどのように関係しているかを確認します。
確認したい項目は、ビットコインの保有量、保有資産に占める割合、暗号資産関連事業の売上高、利益への貢献度などです。
企業が関連事業への取り組みを発表していても、実際の売上高や資産に占める割合が小さければ、株価との連動性は限定的な場合があります。
事業内容だけでなく、決算資料に記載された数値まで確認しましょう。
2.本業の収益とキャッシュフローを確認する
ビットコイン価格が上昇していても、本業が赤字で資金流出が続いていれば、事業継続や追加の資金調達が課題になる可能性があります。
売上高や最終利益だけでなく、営業活動によって現金を生み出せているかを示す営業キャッシュフローも確認しましょう。
マイニング企業では、設備投資や電力費の負担が大きくなりやすいため、投資キャッシュフローや手元資金も重要です。
複数期間の数値を確認し、一時的な利益だけで判断しないことが大切です。
3.資金調達と発行済み株式数を確認する
ビットコイン保有企業や設備投資型の企業では、借入れや新株発行によって資金を調達する場合があります。
資金調達そのものが直ちに問題になるわけではありませんが、調達方法によって株主への影響が異なります。
発行済み株式数が継続的に増加している場合は、1株当たり利益、1株当たり純資産、1株当たりのビットコイン保有量がどのように変化しているかを確認してください。
保有するビットコインの総量が増えていても、それ以上の割合で株式数が増えていれば、既存株主の持分価値が同じように増えるとは限りません。
4.時価総額・売買高・株価指標を確認する
株価だけを比較しても、企業価値が高いか低いかは判断できません。
株価に発行済み株式数を掛けた時価総額や、純資産との関係を示す株価指標などを確認します。
ビットコインを保有する企業では、時価総額と保有資産の評価額に大きな差がないかも確認材料になります。
売買高が少ない株式は、注文が成立しにくかったり、少数の注文で株価が大きく動いたりする可能性があります。
単日の騰落率ではなく、一定期間の売買高や値動きの幅を確認しましょう。
5.NISA対象と資産全体の配分を確認する
最後に、NISAの成長投資枠で保有できるかを確認します。
NISA対象であっても、資産の大部分を一つのテーマへ集中させると、ビットコイン価格や暗号資産市場の変化による影響が大きくなります。
すでにビットコインそのものや暗号資産関連ファンドを保有している場合は、関連株を加えることで実質的な暗号資産への依存度が高くならないか確認しましょう。
銘柄単体だけでなく、金融資産全体に占める割合を把握することが重要です。
確認しておきたい主なリスク

ビットコイン連動株には、ビットコインの価格変動リスクと企業固有の株式リスクが重なります。
関連性の強さだけでなく、企業の事業構造や財務状況に応じたリスクを確認する必要があります。
ビットコインと株価が同時に大きく変動する
ビットコイン価格が大きく変動すると、保有資産の評価額や関連事業の収益見通しが変わり、関連株にも影響が及ぶ場合があります。
さらに株式市場全体の下落が重なると、ビットコイン価格と関連株が同時に下落する可能性があります。
株式だからビットコインより値動きが小さいとは限りません。
ビットコインとの連動性が低下する
企業が事業内容を変更したり、ビットコイン保有量を減らしたりすると、以前より連動性が低くなる場合があります。
反対に、追加購入や関連事業への集中によって連動性が高まることもあります。
過去の相関関係をそのまま当てはめず、最新の決算資料や開示情報を確認しましょう。
企業固有の事業・財務リスクがある
ビットコイン価格が安定していても、企業の業績悪化、資金不足、設備トラブル、取引先の問題などによって株価が変動する可能性があります。
マイニング企業では設備や電力コスト、取引関連企業では取引量やシステム運営、保有企業では資金調達や資産管理が重要になります。
企業の種類に応じて、確認するリスクを変える必要があります。
海外株には為替変動リスクがある
海外の関連株を円資金で保有する場合は、株価に加えて為替相場の影響も受けます。
現地通貨建ての株価が上昇していても、円高が進むと円換算の利益が小さくなる場合があります。
取引時間、手数料、為替コスト、決算書の通貨なども国内株とは異なるため、商品情報を確認してください。
NISAでビットコイン連動株を比較する手順

ビットコイン連動株をNISAで比較する場合は、次の順番で情報を整理すると、短期的な話題性だけに左右されにくくなります。

手順1.ビットコインとの関連性を分類する
まず、対象企業をビットコイン保有型、マイニング型、取引・決済関連型、システム・インフラ関連型、複数企業を組み入れるファンド型などに分類します。
複数に該当する場合は、売上高や資産に最も大きな影響を与える項目を確認します。
手順2.NISA対象か確認する
個別株の場合は、成長投資枠の対象であるかを確認します。
投資信託やETFの場合は、商品情報や対象商品一覧を確認してください。
対象商品の情報は更新される場合があるため、過去の記事だけで判断せず、公式情報と利用する金融機関の最新の商品画面を確認することが大切です。
手順3.企業情報を複数期間で確認する
直近の決算だけでなく、複数期間の売上高、利益、純資産、営業キャッシュフロー、発行済み株式数を比較します。
ビットコイン保有型であれば、保有量の変化と資金調達方法も確認します。
マイニング型であれば、採掘量、設備投資、電力費などを確認します。
取引関連型であれば、取引量や関連事業の売上構成を確認します。
手順4.資産全体に占める割合を確認する
最後に、自分が保有する金融資産全体のうち、暗号資産価格の影響を受ける資産がどの程度あるかを確認します。
ビットコイン、関連株、暗号資産関連ファンドを別々の商品として保有していても、同じ要因で値動きする場合があります。
商品数だけで分散できていると考えず、リスク要因が重複していないかを確認しましょう。
ビットコイン連動株に関するよくある質問

ビットコインと同じ値動きをしますか
必ずしも同じ値動きにはなりません。
ビットコイン連動株は、ビットコイン価格に加えて、企業業績、財務状況、資金調達、株式市場、為替などの影響を受けます。
「連動」は影響を受けやすいという意味で捉え、完全な価格連動を前提にしないことが重要です。
つみたて投資枠で個別株を買えますか
個別株はつみたて投資枠の対象ではありません。
つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託を対象としています。
個別の上場株式をNISAで保有する場合は、成長投資枠の対象か確認します。
海外の関連株もNISAで保有できますか
成長投資枠の条件を満たし、利用している金融機関がNISAで取り扱っている海外株であれば、保有できる場合があります。
ただし、取扱市場や対象銘柄は金融機関によって異なります。
外国株の取扱いがあっても、すべての銘柄をNISAで保有できるとは限らないため、注文画面や商品情報を確認してください。
NISAなら税金を考えなくてもよいですか
NISA口座で保有した対象商品の売却益や一定の配当などは非課税になります。
ただし、NISA口座で発生した損失は、課税口座の利益と損益通算できません。
配当金の受取方法などによって取扱いが異なる場合もあります。
制度の詳細は公式情報を確認し、個別の税務判断が必要な場合は専門家へ相談してください。
まとめ:関連性と企業価値を分けて確認する

ビットコイン連動株は、ビットコイン価格の影響を受けやすい企業の株式を指す一般的な呼び方です。
ただし、ビットコイン価格へ機械的に連動する金融商品ではありません。
比較するときは、ビットコインへの実質的な依存度、本業の収益とキャッシュフロー、資金調達と発行済み株式数、時価総額・売買高・株価指標、NISA対象と資産全体の配分を確認しましょう。
一定の上場株式や投資信託はNISAの成長投資枠で保有できる可能性がありますが、ビットコインそのものはNISAの対象ではありません。
制度上の対象商品であることに加え、利用する金融機関が取り扱っているかも確認してください。
短期的な価格の動きだけで判断せず、公式情報、企業の開示資料、複数期間の財務情報を確認することが重要です。






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