ビットコインと金融庁の確認ポイント5つ

「金融庁はビットコインを認めているのか」「金融庁に登録された事業者なら安全なのか」と疑問に感じている人もいるでしょう。
結論からいうと、金融庁はビットコインの価格や価値を保証しているわけではありません。
金融庁が行っているのは、主に暗号資産の売買や管理などのサービスを提供する事業者を登録・監督し、利用者に注意情報を提供することです。
そのため、金融庁への登録は事業者を確認する重要な項目ですが、損失やトラブルが発生しないことを意味するものではありません。
この記事では、ビットコインと金融庁の関係、登録制度の意味、公式情報を確認する方法、無登録業者や詐欺的な勧誘への注意点を解説します。
ビットコインと金融庁の関係

ビットコインは法令上「暗号資産」に分類される
日本の法令では、ビットコインは「暗号資産」に分類されます。
以前は「仮想通貨」という名称が広く使用されていましたが、法令上の呼称は「暗号資産」に変更されています。
ただし、暗号資産は日本円や米ドルのような法定通貨ではありません。
国がビットコインの価値を保証しているわけではなく、価格は市場での需要と供給などによって変動します。
金融庁が主に規制するのは暗号資産を扱う事業者
金融庁が主に登録・監督するのは、ビットコインそのものではなく、ビットコインなどの売買、交換、媒介、管理といったサービスを提供する事業者です。
国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスなどを業務として行うには、暗号資産交換業の登録が必要です。
制度改正により、登録された事業者の委託を受け、暗号資産の売買や交換だけでなく、それらの媒介・取次ぎ・代理を行う場合も暗号資産交換業に該当するため、同様に金融庁への登録が必要です。
金融庁は、登録申請の審査だけでなく、登録後の監督、行政処分、無登録事業者への警告、利用者への注意喚起なども行っています。
金融庁はビットコインの価格や価値を保証しない
金融庁の登録一覧にビットコインが記載されていても、金融庁がビットコインへの投資を推奨しているという意味ではありません。
登録一覧に掲載される暗号資産は、事業者からの説明に基づき、法令上の暗号資産の定義に該当することを確認したものです。
金融庁や財務局が価値を保証したり、利用を推奨したりするものではありません。
登録された事業者と、安全な暗号資産や値下がりしない暗号資産は、別の話として考える必要があります。
ビットコインと金融庁の確認ポイント5つ

1.暗号資産交換業には登録が必要
日本国内でビットコインと日本円の交換や、利用者の暗号資産の管理などを業務として提供する場合、原則として暗号資産交換業の登録が必要です。
金融庁は登録事業者の一覧を公開しており、事業者名、登録番号、所在地、連絡先、取り扱う暗号資産などを確認できます。
登録の有無は、利用する事業者を判断するときの最初の確認項目です。
2.登録は安全性や利益を保証する制度ではない
金融庁登録は、価格下落が起こらないことや、利用者が利益を得られることを保証する制度ではありません
ビットコインには価格変動があり、購入時より価格が下がれば損失が生じる可能性があります。
また、不正アクセス、システム障害、誤送金など、価格以外のリスクも存在します。
登録済みかどうかだけでなく、自分が利用するサービスの仕組みや取引条件を確認することが重要です。
3.登録事業者と取り扱う暗号資産は別々に確認する
登録事業者であっても、すべての事業者がビットコインを取り扱っているとは限りません。
金融庁の登録一覧には、事業者ごとに取り扱う暗号資産が掲載されています。
事業者名だけでなく、取扱暗号資産の欄にBTCまたはビットコインが記載されているかも確認しましょう。
また、事業者がウェブサイトなどに表示している法人名と、登録一覧の法人名が一致しているかも確認が必要です。
4.行政処分や無登録業者への警告も確認する
登録一覧に掲載されているかどうかに加えて、行政処分や無登録業者への警告情報も確認しましょう。
金融庁の暗号資産関連ページでは、登録事業者の一覧だけでなく、行政処分や無登録で暗号資産交換業を行う事業者に対する警告情報も公開されています。
登録事業者であっても、過去に行政処分を受けている可能性があります。
処分の理由や改善状況、現在提供されているサービスの内容などを確認することが重要です。
5.怪しい勧誘を受けたときは追加送金をしない
暗号資産に関連するトラブルでは、SNSなどで知り合った相手から投資を勧められ、出金しようとすると税金、保証金、手数料などの名目で追加送金を求められる事例があります。
実際の画面上で利益が表示されていても、その数字が本当に取引で生じた利益とは限りません。
追加で送れば出金できると説明されても、送金を重ねるのではなく、取引記録を保存して公的な相談窓口などに相談しましょう。
金融庁の登録情報を確認する手順

手順1.金融庁の登録一覧を確認する
まず、金融庁が公開している暗号資産交換業者の登録一覧を確認します。
検索結果や広告からアクセスしたページではなく、金融庁の公式ページに掲載されている一覧を基準にしてください。
登録一覧は更新される可能性があるため、以前確認したことがあっても、利用前に最新情報を再確認することが大切です。
手順2.法人名と登録番号を照合する
次に、利用を検討している事業者が表示している法人名と、登録一覧の法人名を照合します。
サービス名と法人名が異なる場合があるため、サービス名だけで検索して判断しないようにしましょう。
事業者の会社概要や取引画面に表示されている法人名、登録番号、所在地などを登録一覧と比較します。
一部だけが一致している場合や、表記に不自然な違いがある場合は、取引を進める前に確認が必要です。
手順3.ビットコインの取り扱いを確認する
登録一覧では、各事業者が取り扱う暗号資産も確認できます。
ビットコインを取引したい場合は、取扱暗号資産の欄にBTCまたはビットコインが記載されているかを確認してください。
登録事業者であることと、希望する暗号資産を取り扱っていることは別々の確認項目です。
手順4.行政処分や警告情報を確認する
登録一覧を確認した後は、金融庁の暗号資産関連ページで行政処分や警告情報を確認します。
特に、SNSやメールで紹介された事業者、海外を拠点とする事業者、検索広告からアクセスした事業者については、無登録事業者への警告一覧も確認しましょう。
海外所在の事業者であっても、日本の居住者に対して暗号資産交換業を行う場合には、日本国内での登録が必要です。
手順5.事業者から取引内容とリスクの説明を受ける
登録状況を確認しただけで、すぐに取引を始める必要はありません。
取引方法、価格の決まり方、手数料、入出金の条件、保管方法、サイバーセキュリティ上のリスクなどについて説明を確認します。
内容が理解できないまま同意を求められる場合や、質問に明確な回答がない場合は、取引をいったん見送って情報を整理することが大切です。
金融庁登録済みでも残るリスク

ビットコインの価格変動リスク
ビットコインの価格は一定ではありません。
短期間に大きく上昇することがある一方で、大きく下落する可能性もあります。
金融庁登録は、価格変動を抑えたり、購入価格を保証したりする制度ではありません。
生活に必要な資金と取引に使用する資金を分け、損失が生じる可能性を理解する必要があります。
不正アクセスやシステム障害のリスク
暗号資産の取引はインターネットを利用するため、不正アクセス、認証情報の流出、通信障害、システム障害などの影響を受ける可能性があります。
事業者には利用者資産の管理やシステムリスクへの対応が求められますが、利用者側のパスワード管理や端末の安全対策が不要になるわけではありません。
複数要素認証を設定し、同じパスワードの使い回しを避けるなど、利用者自身の対策も必要です。
送金先を間違えるリスク
ビットコインを外部のウォレットへ送る場合、送金先アドレスを間違えると、銀行振込のように簡単に取り消すことはできません。
初めての送金では少額で送付先を確認し、アドレスの先頭と末尾を照合するなど、操作ミスを防ぐ手順が重要です。
登録事業者を利用していても、利用者自身が誤った送金先を指定した場合のリスクは残ります。
登録事業者を装った偽サイトのリスク
登録事業者の名称や登録番号を無断で使用する偽サイトにも注意が必要です。
偽サイトに正しい登録番号が表示されていても、そのサイトを金融庁が登録しているとは限りません。
メールやSNSのリンクから直接ログインせず、普段使用している正規の方法からアクセスすることが重要です。
事業者ごとに手数料や管理方法が異なる
金融庁に登録された事業者でも、取引方法、売買価格、スプレッド、入出金手数料、送金手数料、最低取引金額などは異なります。
登録の有無を確認した後は、複数の条件を比較し、自分が理解できるサービスかを確認してください。
金融庁登録という表示だけで、手数料や使いやすさまで同じになるわけではありません。
無登録業者や詐欺的な勧誘の注意点

日本居住者向けにサービスを行う海外事業者にも登録が必要
海外に所在する事業者であっても、日本の居住者に対して暗号資産交換業を行う場合には、原則として日本国内での登録が必要です。
海外の事業者だから日本の登録は関係ない、世界的に利用されているから確認は不要といった説明だけで判断しないようにしましょう。
「利益が保証される」という説明を信用しない
ビットコインの価格は変動するため、将来の利益を保証することはできません。
損失が出ない、一定の利益が毎月受け取れる、専門家に任せれば問題ないといった説明を受けた場合は注意が必要です。
暗号資産の話題性を利用し、送金後に連絡が取れなくなるトラブルもあります。
出金時の税金や保証金を名目にした請求に注意する
出金を申し込んだ際に、事前の説明になかった税金、保証金、認証費用、口座解除費用などを請求されるケースがあります。
追加送金をしても、別の名目でさらに支払いを求められ、出金できない可能性があります。
このような要求を受けた場合は、相手の説明だけを信用せず、追加送金を止めて相談してください。
SNSで知り合った相手からの紹介を慎重に確認する
SNSやマッチングサービスを通じて知り合った相手から、暗号資産の取引や投資を勧められることがあります。
長期間やり取りを続けて信頼関係を築いた後に勧誘されるケースもあるため、親しい相手から紹介されたという理由だけでは安全性を判断できません。
紹介された取引先は、自分で金融庁の登録一覧や警告情報を確認しましょう。
登録番号だけで本物と判断しない
登録番号は公開情報であるため、第三者が無断で表示することも可能です。
確認するときは、登録番号だけでなく、法人名、所在地、連絡先、取り扱う暗号資産などを総合的に照合します。
不審な点がある場合は、勧誘者から案内された連絡先ではなく、公式情報で確認した窓口を利用してください。
トラブルが起きた場合の対応

取引履歴や勧誘記録を保存する
出金できない、身に覚えのない取引がある、追加送金を求められたといった場合は、まず記録を保存します。
取引画面のスクリーンショット、送金日時と送金額、送金先アドレス、相手とのメッセージ、メールの内容、表示されていた事業者名と登録番号などを残してください。
画面やアカウントにアクセスできなくなる可能性もあるため、問題に気付いた段階で保存することが重要です。
事業者の正式な窓口へ問い合わせる
登録事業者との取引で問題が起きた場合は、事業者の正式な問い合わせ窓口へ連絡します。
SNSで連絡してきた担当者や、勧誘者が案内した個人的な連絡先ではなく、公式情報から確認した窓口を利用してください。
パスワードや認証情報の流出が疑われる場合は、パスワード変更やアカウント停止など、必要な対応も確認します。
追加の暗号資産や金銭を送らない
追加で送金すれば出金できる、保証金を払えば口座を解除できると説明されても、すぐに支払わないようにしてください。
詐欺的な取引では、支払いを重ねるほど被害が広がる可能性があります。
相手との連絡を続けるよりも、記録を保存し、公的な相談窓口や警察、法律の専門家などへ相談することを優先します。
公的な相談窓口や警察へ相談する
登録のない事業者との取引や詐欺が疑われる場合は、消費生活相談窓口、警察、法律の専門家などへの相談を検討します。
被害が確定しているか分からない段階でも、追加送金をする前に相談することが重要です。
金融庁の相談窓口には、事業者の登録や注意情報について確認するための情報を提供できます。
金融庁は個別紛争の仲介を行わない
金融庁には暗号資産に関する情報を提供できますが、利用者と事業者の間に入り、個別の返金交渉や仲介、調停を行う機関ではありません。
個別の解決が必要な場合は、事業者の苦情窓口や公的な相談窓口、法律の専門家など、状況に応じた相談先を利用してください。
まとめ|金融庁登録は最初の確認項目として活用する

ビットコインは法令上「暗号資産」に分類されていますが、日本円のような法定通貨ではなく、国や金融庁が価値を保証しているものではありません。
金融庁が行っているのは、主に暗号資産を扱う事業者の登録・監督、行政処分、無登録事業者への警告、利用者への注意喚起です。
ビットコインに関連するサービスを確認するときは、金融庁の公式一覧で登録状況を確認し、行政処分や無登録事業者への警告情報を確認し、取引条件と価格変動・セキュリティなどのリスクを理解することが大切です。
登録事業者であることは重要な確認項目ですが、それだけで損失やトラブルを防げるわけではありません。
金融庁の公式情報、事業者からの説明、複数の信頼できる情報源を確認し、理解できない内容がある場合は取引を急がないことが大切です。












