海外の仮想通貨取引所にはどんな種類がある?メリットとデメリットも合わせて紹介
海外の仮想通貨取引所は豊富な銘柄数やハイレバレッジが魅力で、CEX(中央集権型取引所)やDEX(分散型取引所)などの種類があります。しかし、海外の仮想通貨取引所は、国内取引所のように金融庁の認可を受けていない所が多く、信用度が低いデメリットも存在するのです。
今回の記事では、海外の仮想通貨取引所の特徴や国内取引所との違い、利用するメリット、デメリットを中心に解説します。
海外の仮想通貨取引所の種類
まずは、海外の仮想通貨取引所を3つに分けて紹介します。取引所ごとに異なる特徴をもっているので、一つひとつ確認してみてください。
- CEX(中央集権型取引所)
- DEX(分散型取引所)
- 仮想通貨FX取引業者
CEX(中央集権型取引所)
CEX(Centralized exchange:中央集権型取引所)は企業が運営している取引所です。国内取引所の場合、金融庁の認可を得ている仮想通貨取引所はすべて「CEX」に該当します。
CEXで取引できる仮想通貨は、時価総額やプロジェクト内容などの上場基準を満たしているため、比較的安全性の高い通貨といえます。ただ、海外仮想通貨取引所はCEXに該当していても、金融庁の認可なしで運営している可能性が高く、金銭トラブルに巻き込まれやすいのも事実です。
DEX(分散型取引所)
DEX(分散型取引所)はスマートコントラクト※1を採用しており、自動で仮想通貨を交換できるため、ユーザー間のウォレットアドレスのみで取引が可能です。
※1 特定の条件を満たした場合、自動で契約や取引が進行すること
DEXの例としては、「Uniswap(ユニスワップ)」や「PancakeSwap(パンケーキスワップ)」などが存在します。DEXで取引できる仮想通貨は上場基準がないため、CEXにはないような通貨の取引ができる一方、詐欺通貨に遭遇する可能性も高くなります。
仮想通貨FX取引所
仮想通貨FX取引業者は、仮想通貨のレバレッジ取引に強い取引所です。
レバレッジ取引は保有資金を担保に、取引所からお金を借りて取引する方法です。少ない資金でも効率よく資金を増やせる強みがある一方、予想と逆の値動きをしたときの損失額も高くなります。そのため、投資歴の長い上級者向けの取引方法といえます。
仮想通貨海外取引所と国内取引所の違い
海外取引所と国内取引所には、取扱通貨や手数料などの項目で異なる点が存在します。あなたに合った取引所を選ぶためにも、2つの違いを確認しておきましょう。
取引銘柄
国内取引所の取扱銘柄は数十種類に対し、海外取引所は数百種類と豊富に揃っています。
海外取引所は国内取引所と比較すると上場基準が厳しくないので、多くの仮想通貨が上場します。一方で、詐欺通貨など信頼度の低い仮想通貨も存在するので、仮想通貨に慣れていない投資初心者には向いていないかもしれません。
国内取引所は海外取引所と比べて取扱銘柄こそ少ないものの、上場基準を満たした信頼度の高い通貨が揃っているため、投資初心者でも安心して取引できます。
取引手数料
海外取引所は取引所形式のみを採用しているため、取引手数料が安いです。一方、国内取引所は販売所形式と取引所形式の2種類の売買方式を採用しています。
仮想通貨取引を始める前に「販売所形式」と「取引所形式」の違いを把握しておきましょう。
項目 | 販売所形式 | 取引所形式 |
取引相手 | 仮想通貨取引所(bitbankなど) | 投資家同士 |
購入価格 | 販売所が提示している金額 | 投資家間で成立した金額(板取引) |
メリット | ・確実に売買できる | ・手数料が安い |
デメリット | ・手数料(スプレッド)が高い | ・注文が成立するとは限らない |
取引所と販売所の違いに関しては、以下の記事も参考にしてみて下さい。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-exchange-and-cryptoshop
利益にかかる税金
国内と海外で利益にかかる税金に違いはありません。どちらの取引所でも売却益は雑所得に該当し、所得税と住民税が課せられます。所得税は売却益に応じて5%〜45%(累進課税)、住民税は10%の税金がかかります。
国内取引所の場合は取引履歴がわかりやすく、税金の計算がしやすいです。一方、海外取引所の場合、取引履歴を出せない取引所も存在するため、国内取引所よりも税金計算の工数が増えます。
取引にかかる税金に関しては、以下の記事も参考にしてみて下さい。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/kyokasho-tax
信頼性
海外の取引所は基本的に金融庁の認可なしで営業しているため、国内取引所と比べると信頼性が低いです。金融庁でも認可を受けていない「無登録業者」との取引を避けるよう呼びかけています。
金融庁の認可を受けていない海外取引所に規制が入ると、最悪取引ができなくなる可能性もあります。信頼度の高い取引所で投資したい方は、国内取引所を選択しましょう。
海外仮想通貨取引所を利用するメリット
海外仮想通貨取引所では、珍しい通貨を取り扱っていたりハイレバレッジな取引ができたりと、国内取引所にはないメリットが存在します。まずは、海外仮想通貨取引所のメリットから見ていきましょう。
仮想通貨の中でも珍しい草コインの売買もできる
海外取引所は、国内取引所と比較すると上場基準が厳しくないため、国内では珍しい草コイン※2の売買ができます。
※2 時価総額や知名度の低い仮想通貨
草コインは元々の価値が低いため、短期間で資金を増やせるチャンスがある一方、話題性だけで高騰したパターンの場合、すぐに暴落してしまう可能性もあります。草コインを購入する際には、損失リスクも事前に把握しておきましょう。
レバレッジ倍率が大きい
海外取引所はハイレバレッジで取引できるので、国内取引所と比べると大きな利益を狙いやすいです。現在、国内取引所のレバレッジは最大2倍までと決められています。
一方、海外取引所でのレバレッジ倍率は規制されておらず、取引所によっては数百倍の倍率で取引できます。価格推移の予想が当たれば大きな利益を獲得できますが、外れた際に損失も膨れ上がるので、レバレッジ機能を利用する際にはご注意ください。
取引手数料が安い
海外取引所は取引所形式のみを採用しているため、取引手数料が安く、デイトレードやスキャルピングなど1日に複数回売買する方におすすめです。
国内取引所(販売所形式)の場合、取引手数料よりも高い売買の価格差(スプレッド)が発生します。そのため、取引手数料だけを見ると、1日に何回も取引する方には「海外取引所」の方が向いているといえます。
ボーナスで取引を始められる
海外取引所の口座を開設、入金すると、取引で使えるボーナスを受け取れる場合があります。
ボーナス名 | ボーナス内容 |
口座開設ボーナス | 口座開設時に無条件でボーナスが取得できる |
入金ボーナス | 入金した金額に応じてボーナスを取得できる |
取引ボーナス | 売買回数が多いほど、ボーナスがもらえる。 |
参考:Bybit「Bybitの口座開設・入金キャンペーン一覧!【2023年10月最新版】」
口座開設ボーナス以外は、利用金額に応じて得られるボーナスが増えるので、資金に余裕のある方は、入金時に受け取ってみましょう。
海外仮想通貨取引所を利用するデメリット
海外仮想通貨取引所には、メリットだけでなくデメリットも存在します。口座を開設する前に確認しておきましょう。
金融庁の許可が下りていない
海外仮想通貨取引所は金融庁の認可を得ていないので、国内取引所と比べると信頼性は低いです。
また、今後の金融庁の動きによっては、以下項目の利用が停止になる可能性もあります。
- 新規口座開設
- 仮想通貨の売買
- 国内の銀行口座への出金
海外取引所には上記のような危険性があるため、安心して仮想通貨取引を進めたい方は、国内取引所の利用を検討しましょう。
日本語対応していない
海外取引所は日本語に対応していない所が多いです。英語がわからなくても自動翻訳で日本語に変換できるため、利用するだけなら大きな問題ではありません。
ただ、入出金や取引に関する想定外のトラブルが発生すると、日本語以外の言語で運営側と会話する必要があります。日本語でスムーズなやり取りを行いたい方は、国内取引所を選択しましょう。
リスクが高い取引をしてしまう
海外取引所特有のハイレバレッジ取引で失敗すると、国内取引所よりも損失額が大きくなります。海外取引所の場合、国内取引所のようにレバレッジ上限が定められていません。
そのため、国内取引所では効かせられない倍率のレバレッジ取引で、資金を増やせる可能性はありますが、損失額も膨れ上がってしまいます。
日本円では入出金できない
海外取引所は基本的に日本円の入出金ができないため、国内取引所で仮想通貨を購入、もしくはクレジットカードを利用する必要があります。クレジットカードは直接海外取引所に送金できる唯一の方法ですが、送金トラブルが起こりやすくおすすめできません。
また、国内取引所で仮想通貨を購入してから送金する方法は、入金までの手順が多く、仮想通貨を送金する際のアドレスを間違えるリスクもあります。
初心者には国内取引所がおすすめ
海外取引所特有のメリットもありますが、以下の理由から投資初心者には国内取引所をおすすめします。
- 日本円で始められる
- 国内取引所に上場している通貨が多い
- 金融庁の認可を得ている
海外取引所にはないメリットを、一つひとつ確認しましょう。
日本円で始められる
国内取引所は日本円で始められるため、海外取引所にはない以下のメリットがあるといえます。
日本円で始めるメリット | 理由 |
日本円を銀行口座に直接出金できる | 日本円への換金スピードが早く出金しやすい |
送金ミスによる損失リスクが低い | 海外取引所は仮想通貨しか入金できないので、 |
為替リスクを考慮する必要がない | 海外取引所はドルと同じ値動きをするUSDTなどを使って取引するため、為替リスクを考慮する必要がある |
投資初心者にとって日本円で取引できるのは心強いです。特に仮想通貨取引が初めての場合は覚えることも多いので、投資に慣れるまでは国内取引所をおすすめします。
国内取引所に上場している通貨が多い
国内取引所に上場している銘柄だけでも、問題なく取引ができます。ビットコインやイーサリアム、XRPなどメジャーな銘柄はもちろん、海外で話題の銘柄も次々と上場しています。
確かに海外取引所と比較すると上場基準が厳しいため、銘柄数は多くありません。しかし、上場した時点で信頼できる通貨なので、安心して取引できるメリットがあります。
金融庁の認可を得ている
海外取引所は日本語に対応していたとしても、金融庁に認可されていないケースが多いです。対して、国内取引所は基本的に金融庁の認可を受けているため、安心して取引ができます。
海外取引所で詐欺やトラブルに遭遇したとしても、金融庁は基本的に対応できないので、そのまま資金を失ってしまうリスクが高いです。資金を守るためにも、bitbankなどの金融庁に認可されている国内取引所を利用しましょう。
仮想通貨の取引は国内取引所からはじめよう
海外取引所は国内取引所と比較すると、取引できる銘柄数も多く、ハイレバレッジで取引できる利便性もあります。ただ、海外取引所は金融庁の認可なしで運営しているため、詐欺やトラブルの被害に遭ったとしても、一度預けた資金はなかなか戻ってきません。
国内取引所は基本的に金融庁の認可を受けているため、詐欺の心配もなく安心して利用できます。また、ビットコインなどメジャーな銘柄は一通り上場しているため、仮想通貨取引も問題なく行えます。
信頼性が高い仮想通貨取引所で売買したい方は、国内取引所を選択しましょう。