BTC週足は6週続落 中東情勢悪化をどう見る?

2月23日〜3月1日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比15万7397円(1.50%)安の1030万5000円と6週続落した。
1040万円台中盤から1000万円周辺までの急落で始まった先週のBTC円は、その後は米ハイテク株の急落を受けて一時は980万円を割り込む場面もあったが、AIが齎す潜在的な利益への楽観が米株式市場で広まり、週央には米株の反発に連れ高となり、1097万円まで反発した。
一方、こうしたAIへの楽観は長く続かず、26日からはBTCも失速。3月1日に期限を迎える、クラリティ法案におけるステーブルコイン付利論争に進展が見られないなか、27日には1020万円台まで水準を落とした。
27日には、米国とイスラエルがイランの最高指導者ハメネイ氏の邸宅を攻撃し、地政学リスクの台頭を受けてBTCは一時1000万円を割り込んだが、事態の早期収束期待から速やかに持ち直すと、3月1日にはイラン国営メディアがハメネイ氏の死亡を発表し、1060万円台を回復した。ただ、イランによる周辺国への報復攻撃が報道されるなか、ターゲットがキプロスの英軍基地やUAEの仏軍基地と、周辺の米軍基地以外にも広がっているとの報道が相場の重石となった。

米イスラエルの攻撃によって、ハメネイ氏を含む複数のイラン政権と軍の高官が死亡したが、同国の外務大臣は次期最高指導者が数日以内に選ばれるとしている。今回の米国の狙いとしては、79年のイラン革命後に発足したイスラム原理主義体制の排除であり、最高指導者の排除で作戦が終わるわけではない。実際、トランプ米大統領も今回の作戦は4週間ほど続くと発言しており、事態の収束時期に関しては不透明感が強い。
尤も、昨年6月のイラン核施設攻撃、今年1月のベネズエラ大統領拘束にも見られるように、昨今の米国の軍事作戦は緻密な情報収集によって驚くほど効率化されている。おそらく、今回も体制転覆に必要なターゲットとなる要人やその所在といった情報を、米国側はある程度高い精度で握っていると指摘され、ロシアウクライナ戦争のような長期戦にはならない可能性がある。
トランプ氏自身も、物価高の是正を公約の主柱の一つに掲げており、ホルムズ海峡の実質的な閉鎖を長引かせないためのプランを用意しているだろう。
加えて、米イランの核協議が難航し始めた2月中旬から、地政学リスクを織り込み、金(ゴールド)価格は先週末までに5%弱上昇、原油価格の指標となるWTI先物も同期間中に既に7%強上昇していた。今朝方、WTI先物は約9%と一時的に急騰したが、その後は上昇幅を縮小してきており、「リスク織り込み済み」+「早期収束期待」が市場から読み取れる。また、予測市場のポリマーケットでも、3月31日までの停戦が57%の確率で予想されている。
以上を鑑みるに、形勢は米国側が有利との見方が市場のコンセンサスと言え、イランが相当な反撃に成功でもしなければ、市場にとって追加のリスクは乏しいと見ている。
一方、今週は2月の米雇用統計を控えているが、中東情勢の悪化によって、こうした経済指標がどれほど注目され、市場に影響を与えるかは現段階では未知数だ。クラリティ法案におけるステーブルコインの付利論争も、結局はホワイトハウスが指定した3月1日の期限までに決着がつかなかったが、米イスラエルによるイランへの攻撃によってスポットライトを奪われている印象があり、まずは本日の米国市場が中東情勢に対してどう反応するかを確認したい。
他方、BTC円の日足は2月の急落後に高値を切り下げつつ揉み合いとなるなか、相対力指数(RSI)は徐々に切り上がっており、強気のダイバージェンスが指摘される(第3図)。足元では、不透明感の強いマクロ環境となっているが、テクニカル的には復調の芽が出始めているとも言えよう。中東情勢を巡って、想定通りイランの劣勢が続けば、今週のBTC相場の支援材料となる展開も想定される。
















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