BTCは下降トレンドライン上抜け リスクオン続くか米指標に注目

2日のビットコイン(BTC)対円相場は224,644円(6.45%)高の3,710,000円と、先月22日から続いたレンジの上限を終値で超え、中期下降トレンドラインの上抜けにも成功した(第2図内紫線)。
この日のBTCは概ね確り。DeFi関連銘柄の上昇を受けイーサリアム(ETH)に買いが入り、BTCも東京市場時間から連れ高となり、欧州序盤にはレンジ上限の362万円を突破。その後は同レンジ上限周辺がサポートに転じ、マイクロストラテジーのBTC追加購入や欧米株の上昇を眺め、今朝方に370万円台に乗せた。


今週の注目材料の一つだった欧州連合(EU)の10月-12月GDP速報値は、予想の前期比1.0%減を上回る0.7%減にとどまった。また、米追加経済政策案を巡り、予算決議案成立次第で予算調停を用いて共和党の合意をバイパスして可決させることに徐々に現実味が帯びてきたことも市場のリスク選好度回復に繋がっている模様だ。
ETHは昨日、対ドルで市場最高値を更新し、終値で1,500ドル台に乗せた。来週8日にはシカゴマーケンタイル取引所(CME)での先物取引開始も控えており、昨年のBTCにあったような機関投資家マネーの流入が期待される。また、時価総額第2位のETHに買いが入ったことで、ライトコイン(LTC)などの主要アルトコインにも買いが順回転しており、市場全体的なムードの好転にも繋がっていると言えよう。
上述の通り、BTC相場は中期の下降トレンドラインの上抜けに成功し、ダウ理論で言う下降トレンドに幕を下ろしたと言え、この先はテクニカルな買いにもある程度期待できるだろう。目先の上値目途としては、ボリンジャーバンド2σ(394万円)や、1月8日高値と29日高値を結んだ下降トレンドライン(第2図内青線)があり、390万円台乗せを試す展開が想定される。
ただ、今夜から5日にかけて米国の雇用に関する指標が立て続けに発表されるため、警戒は怠れないだろう(3日:ADP雇用統計、4日:失業保険新規申請件数&失業保険継続受給者数、5日:米労働省雇用統計)。株価の戻りが鈍化すればBTC相場の重石となり得るため、注視したい。





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bitbank Report 2021/02/03:BTCは下降トレンドライン上抜け リスクオン続くか米指標に注目