BTC続伸で200日線回復 貿易摩擦悪化もCPI下振れが下支えに

12日のビットコイン(BTC)円は1230万6005円から取引が始まった。米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、東京時間のBTC円はやや軟化し1210万円まで水準を下げるも、海外勢参入後に買い戻され、下げ幅を奪回した。その後もジリ高に推移すると、米CPIの下振れを受けて1265万円近辺まで上昇した。ただ、米国に輸入される鉄鋼・アルミニウムに対する関税が発動される中、貿易摩擦懸念から寄り付きの米国株相場が下落し、BTCも連れ安となり一時は1200万円近辺まで下落した。尤も、CPIの下振れにより米国株相場が持ち直すと、BTCも段階的に水準を戻した。米国市場引け後もジリ高に推移し、終値は1244万円となった。


本日のBTCは引き続き戻りを試す展開が見込まれる。鉄鋼・アルミニウムに対するトランプ関税の発動を受けて、カナダとEUが即座に報復措置を発表し、貿易摩擦の悪化懸念が一時は相場の重石となった。一方、景気後退懸念が燻る中、CPIの伸びが減速したことでスタグフレーション懸念は一旦後退したと言え、FRBによる利下げ期待が相場の支えとなろう。また、ドル建てBTC価格は200日線やボリンジャーバンドの-1σを回復しており、テクニカルの改善から本日こそCMEの窓埋め(8万6000ドル≒1275万円)を試す展開が視野に入る。他方、今夜は米卸売物価指数(PPI)を控えており、同指標の低下を確認するまで油断は禁物だ。いずれにせよCMEのBTC先物が窓埋めを達成すれば短期的に戻り売りが入る可能性も指摘され、8万6000ドルより上では上値を重くするか。



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bitbank Report 2025/03/13:BTC続伸で200日線回復 貿易摩擦悪化もCPI下振れが下支えに