BTC反発で真空地帯から脱出 反落か窓埋めか米CPI次第か

11日のビットコイン(BTC)円は1157万1988円から取引が始まった。米国の景気後退懸念が燻る中、前日には8万ドル水準となる1184万円を割った相場だったが、売り過熱感や米株先物に買い戻しが入ったことで、この日の東京時間は徐々に水準を戻し、欧州時間には8万ドル水準を回復し、1210万円周辺まで反発した。米国時間序盤には、トランプ米政権がカナダからの鉄鋼・アルミニウム製品に賦課する関税を明日から50%に引き上げると発表し、一時は1160万円近辺まで反落したが、JOLTs求人件数の改善もあり、1200万円まで水準を戻した。その後、加オンタリオ州が米国に輸出する電力価格引き上げを停止したことで、米国側もカナダに対する関税引き上げを撤廃。すると、BTCは1240万円近辺まで上昇し、終値は1230万6005円となった。


昨日の反発でドル建てBTC相場は出来高の薄い7万ドル〜8万ドル(≒1037万円〜1184万円)の真空地帯から脱出に成功した。一方、相場は200日線で上値を抑えられる格好となっており、続伸するには何かしら切っ掛けが必要か。本日は今週最大の難所と言える米CPIの発表を控えている。インフレの中長期的な方向感の指標となるトリム平均PCEインフレ率は、1月に減速傾向となっており、平均収束によってCPIも若干の減速を予想しているが、仮にインフレが加速し続ければスタグフレーション懸念も強まると指摘され、BTCを含めリスクアセットには強い売材料となる可能性がある。今夜のCPIの結果次第で、BTCはCMEの窓埋めで8万6000ドル(≒1274万円)を試すか、再び8万ドルを割り込み真空地帯に突入するかの明暗が分かれるとみている。



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bitbank Report 2025/03/12:BTC反発で真空地帯から脱出 反落か窓埋めか米CPI次第か