BTCは200日線割れから大幅反発 トランプ関税懸念に振り回される

4日のビットコイン(BTC)円は1292万0199円から取引が始まった。前日にトランプ米政権がカナダ、メキシコ、中国に対する関税賦課を発表したことで、この日のアジア市場にもリスクオフムードが波及し、BTCは東京時間に1240万円近辺まで一段安を演じた。その後は底堅い推移に転じるも、ドル円相場の下落が相場の重石となり、欧州時間からはジリ安に推移。一時は1210万円まで水準を下げた。一方、米国時間に入ると、ラトニック米商務長官が「トランプ大統領はカナダとメキシコに対する関税軽減を明日発表する可能性がある」と明らかにしたことで相場は持ち直し、1300万円を回復。終値は1309万5990円となった。


本日のBTCは底堅い値動きが続くか。東京時間の下落で相場は200日線を再び割ったが、米国時間に反発したことで終値では200日線を維持し下値の堅さを印象付けた。トランプ関税の懸念が依然として払拭されないが、ラトニック氏の指摘通りにトランプ大統領が一部関税を軽減させれば、金融市場のリスク選好度も少しは上向くと指摘される。また、米国の景気減速懸念からFF金利先物市場では追加利下げの予想次期が徐々に前倒しになっている他、従来まで年内は50ベーシスポイント(bp)の利下げ予想だったのが75bpまで引き上がっている。本日は金曜日の米雇用統計の前哨戦となるADP雇用レポートや、ISM非製造業PMIといった重要指標を控えており、FRBの政策緩和観測が一層強まれば、BTC相場に追い風となるだろう。



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bitbank Report 2025/03/05:BTCは200日線割れから大幅反発 トランプ関税懸念に振り回される