米金利低下もBTC上値重く、為替の影響に注意

5日のビットコイン(BTC)円は1513万2330円から取引が始まった。日銀の追加利上げ観測に伴うドル円相場の下落を受け、対ドルでの取引が主流なBTCは円建てで東京時間に一時1500万円を割った。ただ、目星い材料に欠ける中、米長期金利の低下が進んだことで、その後は底堅い推移に転じ、欧州時間に入ると1520万円周辺まで戻した。一方、その後も米経済指標の下振れなどもあり長期金利は一層低下したが、BTC円は反落。ドル円相場の更なる下落も相場の重石となり、米国時間中盤には東京時間の安値を割り込んだ。米国時間終盤から終値にかけても上値の重い展開が続き、この日は1479万3012円と、終値ベースでは先月10日ぶりの安値となった。


前日の米経済指標の下振れに続き、昨日はISM非製造業PMIも市場予想比で下振れ、米金利の低下に拍車がかかった。しかし、昨日はトランプ米大統領がガザ地区の所有・復興構想を発表したことにより、中東情勢の不透明感から安全資産として米国債が買われた側面もあり、BTCは金利低下に逆行できなかったと指摘される。ただ、米景気の緩みが示されたことで、市場では徐々にFRBによる6月の追加利下げが織り込まれつつある。円建てでは為替の影響で下げ幅を広げたBTCだが、ドル建てでは下げは限定的となっており、中東リスクと追加利下げ観測で売り買いが鬩ぎ合っている格好か。明日には米雇用統計も控えており、ドル建てのBTCは方向感を示しにくい状況かと指摘されるが、ドル円相場は引き続き日銀追加利上げ観測から弱地合いが続く可能性があり、本日のBTC円は小緩む展開となりやすそうだ。


