BTCはFOMCで反発 想定外のポジティブサプライズ
29日のビットコイン(BTC)円は1582万1065円から取引が始まった。東京時間は小締まる地合いとなり、終盤には1600万円近辺まで戻したが、欧州勢参入後には節目で上値を抑えられ失速し、徐々に上げ幅を縮小した。米国時間に入ると、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え1590万円周辺での揉み合いに転じた。FOMCは市場の予想通り政策金利を据え置いたが、声明文からはインフレ鎮静化の進捗を示す文言が削除され、BTCは一時下落。しかし、パウエルFRB議長が記者会見で政策スタンスの調整を急ぐ必要はないと示したことに加え、暗号資産(仮想通貨)のリスクについて記者から質問されると、「十分にリスクを理解した上で銀行は仮想通貨顧客にサービス提供できる」、「我々は反イノベーションではない」と発言したことで、BTCは急反発を演じ1600万円を上抜けた。今朝方の米ビッグテックの決算も無難に通過し、終値は1614万1701円となった。
FOMCは無難に通過するとみていたが、記者からの質問があったことでBTCにとっては運よくポジティブサプライズがでた。トランプ政権下で規制緩和が期待される中、FRB議長も銀行による仮想通貨の顧客に対するサービス提供を容認する姿勢を初めて示したことで、業界活性化への期待感が増す切っ掛けとなろう。警戒していた米ビッグテックの決算は、特出した業績がみられなかったものの、メタやテスラは時間外取引で反発しており、市場の期待を裏切るほどの内容ではなかった模様だ。ドル建てのBTC相場は週明けの下落幅をほぼ奪回しており、本日は急落が始まる前の10万5000ドル(≒1622万円)を試す展開となっている。同水準の上抜けに成功すれば、10万7000ドル(≒1653万円)が目先の上値目途とみているが、本日発表される米国の経済指標では、GDP成長率の鈍化とインフレの加速が見込まれており、米国時間の値動きには注意しておきたい。