ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドについて徹底解説!手数料との違いは?
ビットコインにおけるスプレッドは、取引を続けるうえで「コスト」となります。ただ、手数料との違いや計算方法など、具体的な特徴を知らない方が多い傾向にあります。
スプレッドは投資成績に大きく影響を与える要素で、ビットコイン(仮想通貨)投資を行う方にとって必須の知識です。
本記事ではビットコイン(仮想通貨)のスプレッドに関する基本情報や、手数料との違いなどについて解説します。
また、国内仮想通貨取引所「bitbank」を例にしたスプレッドの計算方法、スプレッドを抑えて取引を行うコツなども紹介しています。
ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドとは
ビットコインのスプレッドについて、以下の2点から解説します。
- スプレッドとは買値と売値の差額
- 取引手数料との違い
スプレッドとは買値と売値の差額
ビットコイン取引におけるスプレッドとは、買値と売値の差です。差が大きい場合は「スプレッドが広く」、小さい場合は「スプレッドが狭く」なります。
以下にスプレッドの発生例を示します。
ビットコイン購入額 | ビットコイン売却額 | スプレッド(差額) |
1,000,000円 | 955,000円 | 45,000円 |
※数値は一例
スプレッド幅は、仮想通貨市場の状態によって変動し、通貨の取引量が多いときには狭く、取引量が少ないときには広がる傾向にあります。
そのため、投資家はスプレッド幅を考慮した投資戦略の構築が必要です。
とくに、短期間で頻繁に売買を行うデイトレーダーにとってスプレッドは、取引に対して多大な影響を及ぼします。
取引手数料との違い
スプレッドは「販売所」の取引にかかるコスト、取引手数料(売買手数料)は「取引所」でかかるコストです。
仮想通貨取引所によっては、販売所と取引所が分かれて存在する場合もあります。
項目 | 販売所 | 取引所 |
概要 | 仮想通貨を運営会社が直接販売 | ユーザー同士が仮想通貨を売買 |
通貨価格 | 運営会社が定める価格 | ユーザーの需要と供給により変動 |
コスト | スプレッド | 取引手数料 |
推奨ユーザー | 投資初心者 | 投資経験者(上級者向け) |
取引所での売買では、あらかじめ設定された手数料が発生するため、市場状況によって変動するスプレッドとは異なります。
取引手数料はスプレッドよりも低い傾向にありますが、販売所と比べて注文方法や売買価格がわかりにくいため、投資初心者には向いていません。
初心者の方は、まず販売所から取引を始めて、慣れてきたら取引所で売買することをおすすめします。
ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドが変動する要因
ビットコインのスプレッドは「固定」ではなく日々変動しています。
本章では、スプレッドが変動する要因について詳しく解説します。
- 価格が変動する
- 通貨の流通量が変わる
要因1:価格が変動する
ビットコインを含む仮想通貨市場は価格変動が激しく、スプレッド幅にも影響を及ぼします。
仮想通貨市場が不安定になると、売り手と買い手の間の取引が成立しにくくなり、スプレッドが広がるのです。
スプレッドが広がると、取引にかかるコストも増加します。そのため、価格変動が緩やかかつスプレッドも安定しているタイミングで、投資することをおすすめします。
要因2:通貨の流通量が変わる
もうひとつの要因は、通貨流通量の変化です。市場におけるビットコインの需要と供給のバランスが変わると、スプレッドにも影響が出ます。
たとえば、大量のビットコインが市場に流入した場合、供給過多となり価格が下落します。買い手と売り手の間で取引が成立しにくくなるため、スプレッドが広がるのです。
一方、ビットコインの流通量が減少すると、供給不足となり価格が上昇し、スプレッドが狭くなる傾向にあります。
スプレッドは投資成績に影響を及ぼすコストなので、流通量の変化にも注意して投資しましょう。
ビットコインのスプレッドは他の通貨より安い?
ビットコインは仮想通貨のなかでも流通量が多く、他の仮想通貨よりもスプレッドが「狭い」傾向にあります。
国内仮想通貨取引所「bitbank」を例に、ビットコインとイーサリアムのスプレッドを比較しましょう。
通貨名 | 買値(A) | 売値(B) | スプレッド (A-B) | 買値とスプレッドの比率 (スプレッド÷A)×100 |
ビットコイン (1BTC) | 6,366,700円 | 6,056,129円 | 310,571円 | 4.9% |
イーサリアム (1ETH) | 377,453円 | 359,040円 | 18,413円 | 4.9% |
モナコイン (1MONA) | 57円 | 53円 | 4円 | 7.0% |
※2024年1月13日時点
ビットコインとイーサリアムは、ほぼ同じ割合のスプレッドがかかる結果となりました。一方、2つの通貨よりも流通量が少ないモナコインと比較すると、買値とスプレッドの比率はビットコインの方が小さくなります。
ビットコインのスプレッドは比較的低めです。しかし、市場状況によって常に変動しているので、投資のタイミングに注意しましょう。
bitbankのスプレッド・売買手数料を計算
国内仮想通貨取引所の「bitbank」を例に、取引にかかるスプレッドと売買手数料(取引手数料)を計算してみましょう。
販売所でかかるコスト
販売所でかかるコストは「スプレッド」で、買値と売値の差から計算できます。以下に、ビットコインを0.001BTC購入した際のスプレッドを示します。
ビットコイン購入額 | ビットコイン売却額 | スプレッド(差額) |
約6,366円 | 約6,056円 | 約310円 |
※2024年1月13日時点
スプレッドの計算は単純で、買値から売値を引くだけで求められます。スプレッドは投資成績に影響しやすいので、販売所で売買する前に計算しておきましょう。
取引所でかかるコスト
取引所でかかるコストは、スプレッドではなく「取引手数料(売買手数料)」です。
取引手数料はあらかじめ運営元が設定しているため、固定制となります。以下に、bitbankにおけるビットコインの取引手数料を示します。
通貨名 | メイカー※1 | テイカ―※2 |
BTC/JPY (ビットコイン/日本円) | -0.02% | 0.12% |
※1 取引板に新規注文を並べて、市場に流動性を作る投資家
※2 取引板に並ぶ価格で注文する投資家
上記の表から、ビットコインを0.001BTC購入したときの売買手数料を求めましょう。
ビットコイン購入額 | 売買手数料(購入額×0.12%) |
約6,220円 | 約7円 |
※2024年1月13日時点
※成行注文の場合
一般的に、取引所は販売所よりもコストが低くなる傾向にあります。ただし、取引所は投資経験者用のプラットフォームなので取引手法が複雑だったり、需要と共有のバランスから売買が成立しなかったりします。
そのため、初心者の方は販売所で取引に慣れてからの利用がおすすめです。
ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドを抑えるポイント
ビットコインのスプレッドを抑えると、コスト削減につながり今よりも取引成績が上がります。本章では、スプレッドを抑える3つのポイントを紹介します。
- 取引所で売買する
- 流通量が多い通貨で取引する
- スプレッドが急に広がったときは取引を控える
取引所で売買する
ビットコインを含む仮想通貨の取引において、取引所での売買はスプレッドを抑える効果的な方法です。
取引所は販売所と異なり、スプレッドではなく取引手数料がコストとしてかかります。取引手数料はスプレッドよりも低いため、取引コストを抑えられるのです。
ただし、取引所は販売所に比べて、注文方法(指値、成行注文など)が多く、取引自体が成立しない場合もあります。
初心者の方は、まず販売所から取引を始めて、経験を積んでから取引所で投資することをおすすめします。
流通量が多い通貨で取引する
スプレッドを抑えるための戦略として、ビットコインなど流通量が多い通貨での取引もおすすめです。
流通量が多い通貨は、市場参加者が多く取引量も増えるため、スプレッドが狭くなる傾向にあります。
反対に流通量が少ない通貨は、価格の変動が激しく、スプレッドも広がりやすくなります。
コストをできるだけ抑えて取引したい方は、ビットコインやイーサリアムなどの流通量が多い通貨を選択しましょう。
スプレッドが急に広がったときは取引を控える
スプレッドが急に広がった場合は、慎重に行動しましょう。
仮想通貨市場では、予期せぬニュースやイベントによってスプレッドが急激に広がる可能性も考えられます。
とくに、大規模なハッキング事件や仮想通貨投資にマイナスになる法規制などのニュースは、スプレッドに影響する要因です。
スプレッドが広がった場合は一時的に取引を抑えて、スプレッドが再び狭くなった時点で取引を再開すると、リスクを回避しやすくなります。
ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドについてよくある質問
ビットコインのスプレッドに関してよくある質問を5つまとめました。各質問の回答を参考にして、スプレッドへの理解を深めましょう。
- 仮想通貨とFXのスプレッドは同じ意味ですか?
- ビットコインのスプレッドは高いですか?
- ビットコインのスプレッドが広がってしまうのはなぜですか?
- ビットコインのスプレッドの平均はどれくらいですか?
- ビットコインのスプレッドは海外の方が狭いですか?
仮想通貨とFXのスプレッドは同じ意味ですか?
仮想通貨とFX(外国為替取引)のスプレッドは、ほとんど同じ意味です。ただ、取引市場が異なるため、同じタイミングでスプレッドが変動するとは限りません。
仮想通貨のスプレッドは、主に仮想通貨関連のニュースや著名人の発言などで変動します。
また、投資対象に関する市場動向やニュースなどに注目すると、スプレッドの変化に気づきやすくなります。
ビットコインのスプレッドは高いですか?
ビットコインのスプレッドは、市場の状況や取引所によって異なるため、「高い」と断言できません。
一般的に、ビットコインは流動性が高いため、他の仮想通貨と比べてスプレッドは狭い傾向にあります。
しかし、市場が不安定になった場合や、仮想通貨関連のニュースが発表された際には、スプレッドが一時的に拡大する可能性もあります。
ビットコインのスプレッドが広がってしまうのはなぜですか?
ビットコインのスプレッドが広がる主な理由は、通貨の流動性低下や価格変動です。
市場の不確実性が高まると、トレーダー間で取引が成立しにくくなり、スプレッドが拡大する傾向にあります。
また、大規模なハッキングニュースや経済的な変化が原因で、急激な価格変動が起こると、スプレッドは一時的に大きくなる可能性があります。
ビットコインのスプレッドの平均はどれくらいですか?
ビットコインのスプレッド平均値は、仮想通貨市場の状況や、取引所内の売買状況などで変動します。
具体的な数値は、リアルタイムで取引所のデータを参照しましょう。
ビットコインのスプレッドは海外の方が狭いですか?
ビットコインのスプレッドは地域間で異なる場合もありますが、市場状況や取引所によって変動するため、海外の方が狭いとは断定できません。
海外取引所の利用には、英語での口座開設や海外への送金、円から現地通貨への両替などが必要です。
ビットコイン(仮想通貨)のスプレッドを意識して取引しよう
スプレッドは投資成績に影響を与える重要な要素です。とくに長期的に仮想通貨投資を行う予定の方や、頻繁にトレードを行う予定の方にとって、無視できないコストとなります。
スプレッド幅は、市場の動向やニュース、著名人の発言などによる通貨価格の変動で左右されます。そのため、仮想通貨投資を行う場合は、通貨に関する最新情報を収集する習慣が大切です。
投資経験の浅い方には、ビットコインなど取引量が多く、スプレッドも狭い傾向にある通貨がおすすめです。