BTC週足は続伸 米株軟化もETFに資金流入

9日〜15日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比115万8503円(11.07%)高の1162万3503円と続伸した。
イラン紛争の行方を見極めつつも、早期終結期待や主要国による緊急石油備蓄の協調放出などを背景に、先週前半のBTCは確りと推移し、1050万円周辺から1130万円台に上昇した。週央にかけては、イランがホルムズ海峡で機雷敷設の準備を進めているとの報道や、原油価格のさらなる上昇懸念が相場の上値を圧迫したが、米軍が戦争開始から6日間と短期間で113億ドル以上を軍費として費やしたと報じられると、BTCはジリ高に転じた。
13日東京時間には、1150万円を試すと、海外時間には米金利の低下を眺め、週高値1144万4560円に浮上した。尤も、この日も米株式市場が軟調となるなか、BTCは上げ幅を縮小し、週末には1130万円周辺まで水準を下げた。
14日には、米軍がイランのエネルギーインフラの要衝であるカーグ島の軍事拠点を爆撃し、一時はリスクオフムードが広がったが、モジタバ師の死亡説が浮上したことや、イランによるドローン攻撃が前日比で95%減少しているとの報告が相場の支援材料となり、15日には1150万円を回復した。

イランは米国への対抗措置として、ホルムズ海峡の封鎖というカードを切ってきたが、米国によるカーグ島の軍事施設への攻撃が成功したことによって、情勢が変わる可能性がある。
カーグ島はイランの原油輸出の9割が通過するとされる経済的にも重要な拠点であり、トランプ米大統領はカーグ島のエネルギー施設への攻撃や地上部隊による島の掌握も仄めかしている。エネルギー輸送経路閉鎖という世界経済を人質に取ったある種の兵糧攻めに出たイランだったが、しっぺ返しを食らう可能性が浮上したと言えよう。
また、イランは米国とイスラエルの船舶のみホルムズ海峡通過を許さないと発表したが、これは米国とイスラエルへの他国の加勢を嫌気した、イラン側の譲歩とも読み取れる。イランの攻撃力が激減しているという米戦争省や中央軍の報告が真実であれば、イラン紛争は近いうちに停戦に向けた条件を探り合うフェーズに移行する可能性もありそうだ。事態収束に向けた動きが確認されれば、広範な金融市場でリスクオフムードが巻き戻し、BTC相場の支援となるだろう。
一方、先週は機関投資家の間で気になる動きがあった。米国の現物ビットコインETFは、5営業日連続の資金流入を記録している。流入額としてはばらつきがあるものの、米株が軟化するなかでのETFへの資金の流入は極めて珍しい。
BTCは3月までに既に売りが進んでいたこともあるが、米政府の財政への懸念か、単純な有事のBTC買いか、資金流入の明確な背景は定かではない。ただ、エネルギー価格高騰によるインフレ懸念、引いては金利上昇によるドル高は、安全資産としての金(ゴールド)の相場には重石と言え、行き場をなくした逃避資金が僅かながらBTCに流入している可能性が指摘される。
他方、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えている。先月時点では、金利据え置きによる無難な通過を予想していたが、イラン紛争によるエネルギー価格の高騰、引いてはその長期化懸念が燻るなか、経済見通しにおける年内の利下げ回数は、タカ派的に修正される可能性が高いと言える。FF金利先物市場は、既に12月までの政策金利据え置きを織り込んではいるが、当局者達がどれほどエネルギー価格の高騰に懸念を示しているかは現時点で未知数であり、警戒は怠れない。
今週のBTC相場は、地政学リスクの緩和が相場の支援材料となり得る一方、米国の金融政策面では不確実性が残る構図となっており、特に週後半は神経質な展開に注意が必要だろう。




第2表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成












