BTC週足反落も底堅さを発揮 今週もボラタイルな展開となるか

22日〜28日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比32万440円(1.88%)安の1676万9559円と反落した。
クジラによるイーサリアム(ETH)売却を背景としたアルトコイン相場の下落や、米経済の底堅さを示すデータによる利下げ観測の後退で、先週のBTC円は1700万円を割り込み、25日には1640万円周辺まで下落。ドル建てでは9月前半の上げ幅の殆どを吐き出した。ただ、26日に発表された8月の米個人消費支出(PCE)デフレーターが市場予想の+2.7%と合致すると、米金利はやや上昇した一方、安心感から米国株相場が反発し、BTCは1640万円周辺の水準を維持した。
週末の相場は1640万円を挟み込み、極めて狭い値幅での揉み合いが続いたが、マイケル・セイラー氏がストラテジー社のBTC購入履歴をXで公開し、追加購入を示唆すると、相場は徐々に戻りを試し、保ち合い上放れに成功。その後も買い戻しの流れが続き1660万円周辺まで上昇すると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物の取引開始と共に一段高を演じ、1680万円周辺まで上昇した。

週足ベースだと一時4.59%の下落を記録した先週のBTC円だったが、安値1630万円から2.84%反発し底堅さを印象付けた。ドル建てBTCのチャートはダブルボトムを形成している可能性も指摘され、ネックラインとなる11万8000ドル(≒1757万円)が目先の上値目途と言えそうだ(第2図)。
しかし、週末に相場が反発したことでCMEのBTC先物には1500ドル(≒22.3万円)ほどの下窓が開いており、一抹の不安が残る。今週も米国の雇用関連指標やPMIといった重要指標が目白押しとなっており、FRBの利下げの手掛かりを巡って引き続きボラタイルな相場展開が見込まれる。また、先週も指摘の通り、米政府機関の一部閉鎖が10月1日に迫っており、金融市場の混乱にBTC相場も一時的に巻き込まれる可能性に注意したい。

先週は第二・四半期のGDP成長率などが市場予想を上回ったことがサプライズとなったが、今週の指標は8月や9月のデータとなっており、先週発表された一連の四半期次データよりも重要であると言える。失業保険の継続申請件数が高止まりし、インディードの求人掲載件数も引き続き低下基調となっていることに鑑みると、雇用関連の指標はFRBによる継続的な利下げを正当化する結果となることが想定され、FOMC後の短期金利上昇の流れもそろそろ反転する可能性があるだろう。
また、米政府機関の一部閉鎖は米国債からの資金逃避や長期金利上昇に伴う政府の財政圧迫が意識されると言え、混乱による売りが一巡すればBTCにとってはプラスとみている。
総合的に俯瞰すると今週は強弱材料まちまちと言え、BTCは上下に大きく振れる展開も懸念されるが、底堅い推移となるだろう。




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bitbank Report 2025/09/29:BTC週足反落も底堅さを発揮 今週もボラタイルな展開となるか