BTC週足は上げ幅を縮小 テクニカル的な重要ポイントを死守できず

15日〜21日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比2万9064円(0.17%)高の1708万9999円とほぼ変わらずだった。
9カ月ぶりの利下げに踏み切った17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過して反転上昇したBTC円だったが、19日に1750万円に肉薄し、ドル建てでは11万8000ドルにタッチすると失速した。その後も外為市場でのドル高を眺め水準を切り下げると、米国時間には半値戻し11万5891ドルとなる約1718万円の維持に失敗し、1700万円近辺まで下落した。
週末の相場は動意に欠ける展開となり、1700万円台を維持したものの、FOMC後の上げ幅の半分以上を掻き消した。

BTCはドル建てで、8月14日の史上最高値から9月1日の安値の半値戻しを16日に回復、18日には一目均衡表の三役好天を完成させ、節目の12万ドル(≒1779万円)をトライするかと思われたが、19日は米株が上昇したにも関わらず反落した。FOMCで来年の利下げ回数が1回に止まる可能性が示唆され、ドル高・債券安(金利は上昇)の流れとなるなか、BTCは反発していたが、勢いを保てなかった格好だ。
テクニカル的に重要なチャートポイントを守れなかったことで、目先では失望売りに注意を要するだろう。目先の下値目途としては、ボリンジャーバンドのセンターラインや、フィボナッチ・リトレースメント38.2%、節目の11万4000ドルが密集する11万3850ドル〜11万4000ドルエリア(≒1689万円〜1691万円)が意識される。
尤も、長期金利の上昇は必ずしもBTC相場にとって売り材料になるとは限らない。コロナ禍での利下げサイクルでは、インフレ懸念から長期金利が上昇し利回り曲線がスティープ化するなか、BTC相場は上昇トレンドを形成した。足元でネックとなっているのは短期金利の上昇と言える訳だが、FOMC後の動きが一服すれば、BTC相場への下押し圧力も解消されるとみている。
加えて、米議会上院では現在、つなぎ予算案を巡って共和党と民主党が対立しており、トランプ大統領も10月1日の政府閉鎖は「十分あり得る」と発言している。財政問題が意識され、長期国債も格下げされた現状での政府閉鎖は、市場から高いタームプレミアムを求められることで、カーブツイストによる利回り曲線のスティープ化を加速させる可能性が高い(フロントエンド:逃避需要で利回り低下、バックエンド:信用毀損で利回り上昇)。
この場合、株式市場の下落にBTCも一時的に巻き込まれる可能性もあるが、米国債からの逃避資金の流入、さらには長期金利の上昇による米政府の財政圧迫が相場上昇の糧になるとみている。




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bitbank Report 2025/09/22:BTC週足は上げ幅を縮小 テクニカル的な重要ポイントを死守できず