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BTCジリ下げで2週続落　三役逆転が間近に

BTCジリ下げで2週続落　三役逆転が間近に

長谷川友哉

2025.02.10マーケット情報

3日〜9日のビットコイン（BTC）対円相場の週足終値は、前週比54万2044円（3.56%）安の1468万8997円と2週続落した。

週明け3日の反発以降、先週は中国の対米報復関税の発表、ドル円相場の下落、それから米雇用統計への警戒感でBTCは上値の重い展開となり、1600万円近辺から弱地合いが続き、7日東京時間には1400万円台中盤まで下値を広げた。

注目された1月の米雇用統計では、月間の雇用者数が14万3000人増加と市場予想の17万人を大きく下回った一方、失業率は4.1%から4%に低下し、まちまちな内容となった。ただ、BTCは結果受けて強含み、一時は1500万円を回復したが、ドナルド・トランプ（DT）大統領が多くの国に対して相互関税を課すと発表したことでリスクオフムードが広がり、再び1450万円近辺まで下落した。

ボラティリティが落ち着きやすい週末は小動きに終始し、週足終値は1441万5000円となった。

ビットコインチャート — 第1図：BTC対円チャート　1時間足　出所：bitbank.ccより作成

中国の対米報復関税は本日より発動、上述のトランプ政権による相互課税も本日か明日には決定する見通しとなっている。更に今朝方、トランプ大統領は米国に輸入される全ての銅とアルミニウムに25%の関税を本日から課すと発表しており、BTC相場は一時上下に振れた。ただ、週明けの市場ではドル、円、金（ゴールド）が買われリスク回避の動きが目立つ中、BTCも底堅く推移しており、トランプ関税への警戒感は先週の下落である程度消化された格好か。

他方、まちまちな結果となった米雇用統計を受けて、FF金利先物市場が織り込む6月の米連邦準備理事会（FRB）による追加利下げの確率は低下、賃金上昇率の加速も然程収まらず、米金利は上昇で反応した。通常であれば金利の上昇でBTCの上値は圧迫されてもおかしくはなかったが、先週は警戒感から売りが先行していただけに、イベント通過後のBTC相場は強含んだ。

もっとも、トランプ関税の影響や、今週12日に控える1月の米消費者物価指数（CPI）を前にして、依然として積極的に買い戻しが入る状況とも言い難く、目先のBTC相場ははっきりとした方向感を示しにくいだろう。逆に、12日からはCPI、パウエルFRB議長議会証言、卸売物価指数（PPI）など重要材料が控えており、週後半からの値動きに注意したい。

テクニカル的には、BTCの対ドルは一目均衡表の転換線が基準線でデッドクロスする中、相場は雲下限で下げ止まり、遅行線も明日には相場実体を下抜ける可能性が高く、今週は強い売りシグナルとなる三役逆転の完成が視野に入る（第2図）。

仮にFRBによる追加利下げが夏以降となる可能性が浮上すれば、BTCにとっては売材料と言え、テクニカル的な地合いの悪化も相まって下値を広げる可能性もあるだろう。