ビットコインは400万円を奪回 今週はドルの動きと米CPIに注目

先週(1日〜7日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比644,110円(18.64%)高の4,100,000円と大幅に上昇し、心理的節目の400万円を回復した。先週はイーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)といった主要アルトコインが対ドルで史上最高値を更新するなど、市場全体でムードの改善が確認された。
先週は、VISAとPayPalの暗号資産(仮想通貨)事業拡大と言った材料や、7日にシカゴ・マーケンタイル取引所(CME)で開始されたETH先物取引を意識したETH相場の上昇がBTC相場の支えとなり、週央には1月8日高値と同月29日高値を結んだトレンドラインにタッチ(第2図)。その後もADP雇用統計や米失業保険新規申請件数の改善を受けたリスクオンムードが追い風となり同トレンドラインの上抜けに成功すると、6日の相場は対ドルで41,000ドル(≒430万円)まで上値を伸ばした。
足元では目標達成感に加え、上述のCMEでのETH先物取引開始を受けた事実売りが入り、相場はやや上値を重くしている。


先週は米経済指標の改善を受けドルが上昇し、BTC相場との逆相関が崩れるサプライズがあったが、
背景にはインフレを懸念したBTC買いもあると指摘され、ドル高がこの先のBTCの上値を抑える材料と判断するかにはもう少し様子を見る必要がありそうだ。特に、先週2日時点でシカゴ筋はユーロのロングポジションを解消し始めており、今週もドル高は続く可能性が指摘され、これにBTC相場がどう反応するか注視したい。また、今週10日にはインフレ指標として重要な米消費者物価指数(CPI)の発表も控えているため、週央からのBTC相場の動きには注目が集まる。
BTCは想定通りファン(扇)を形成しており、この先は第3のトレンドライン(第2図内赤線)を上抜けできるかがチャート上のポイントとなろう。足元では、相場は売りに押されているが、第2のトレンドライン(第2図内青線)がサポートとして意識される。この他、テクニカル的には、BTCは一目均衡表の三役好転を示現しており、売り一巡後には上昇トレンド復帰が期待される。目先の押し目としては、38,000ドル水準(≒400万円)、その下は転換線(≒382万円)、第2図内青線(≒386万円)、ボリンジャー1σ(≒392万円)の密集するエリアが意識される。





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bitbank Report 2021/02/08:ビットコインは400万円を奪回 今週はドルの動きと米CPIに注目