ドル高でもビットコイン底堅く ファン理論の中央ラインで足踏みか

4日のビットコイン(BTC)対円相場は44,636円(1.13%)安の3,898,809円と反落。相場は一時、先月29日ぶりに節目400万円に乗せたが、欧州からNY市場序盤にかけて売られ380万円まで押す場面もあり、1週間ぶりの高値で揉み合いとなっている。
東京市場のこの日のBTC相場は子確り。ライトコイン(LTC)やビットコインキャッシュ(BCC)相場が押したことで上値が抑えられる場面もあったが、前日のペイパルの暗号資産(仮想通貨)サービス拡大の発表も後押しとなり、29日高値(402万円)を更新すると408万円にタッチ。欧州市場序盤には金相場が下げ足を速めBTCも連れ安となるとこの日のマイナス圏に沈み、NY市場の始まるタイミングで金の一段安に追随する形で380万円まで押したが、その後は押し目買いが入り反発し、株式市場でのリスクオンも後押しとなったか下げ幅を解消。しかし、足元では戻り売りが入り390万円周辺での推移となっている。

3日のADP雇用統計と4日の米新規失業保険申請数はそれぞれ改善し、直近の株高に貢献している。本日は米労働省発表の雇用統計を控えているが、非農業部門雇用者数は前回の-14.0万人からの改善が見込まれ、リスク選好度の更なる改善が期待されよう。
こうした米雇用の安定化が期待される状況でも今週はドル高が進んでおり、これまでの「リスクオフのドル買い」という構造が逆転しているように見える。また、米長期金利も指標改善を受けた上昇がうかがえ、歴史的に米国債利回りと負の相関関係にある金相場には向かい風となっている訳だが、今週は米期待インフレが2.2%に近づく中でBTCは金と比較して底堅く、新興アセットであり普及の初期段階にあるBTCはインフレヘッジの受け皿として金より優位性があるとも言えるだろう。

チャート上では、BTCは1月8日高値と29日高値を結んだ下降トレンドライン(第2図内青線)周辺で足踏みしており、ファン理論で言う第2のトレンドライン上抜けをトライする展開となっている。ここから反落の場合は第1トレンドライン(第2図内紫線)が下値目途となるが、上抜け成功の場合、綺麗な扇を形成し420万円周辺(第2図内赤線)が上値のターゲットとなりそうだ。また、相場はボリンジャーバンドの2σにもタッチしており、同水準を上抜けしボージ(バンド幅の拡大)が確認されれば上昇トレンド復帰のサインとなるため注目したい。





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bitbank Report 2021/02/04:ドル高でもビットコイン底堅く ファン理論の中央ラインで足踏みか