地政学リスク下でも底堅いBTC 停戦協議が最大の焦点に:4月のビットコイン(BTC)相場見通し
上値追い失敗も底堅く推移
3月のビットコイン(BTC)ドルは6万7040ドルから取引が始まった。月初は、米国・イスラエルによる対イラン攻撃を巡る緊張が意識される中でも、戦争の早期終結期待が相場の下支えとなり、BTCは堅調に推移。4日にかけては7万4000ドル近辺まで上昇し、月初来の高値を付けた。
しかしその後、ペルシャ湾での米タンカー炎上や米雇用統計の下振れを受けて投資家心理が悪化し、BTCは7万ドルを割り込み、月初の上げ幅を吐き出す展開となった。
尤も、この下落は長続きせず、中旬に差し掛かると再び戦争の早期収束期待が浮上したことからリスクオンの流れが回復。BTCは切り返し、一時7万5900ドル近辺まで上昇し、月間高値を更新した。ただ、中旬以降はイスラエルによるイランの天然ガス施設攻撃や、米軍によるカーグ島攻撃などを背景に戦線拡大への懸念が強まり、7万ドル周辺まで下落した。
下旬にかけては、米国が提示した停戦条件をイランが拒否したことで、米国が追加攻撃を警告するなど緊張が一段と高まった。これにより、BTCは一時6万5000ドル近辺まで下落したが、米国が攻撃延期やイランとの協議の進展を示唆したことで過度なリスクオフは後退し、6万ドル台後半でのもみ合いに転じた。
月足終値は6万8228ドルと、月間で約1.77%の上昇となり、小幅ながらも底堅さが確認されたと言えよう。また、5カ月間続いた月足の連続下落に歯止めが掛かった。

メインテーマは引き続き中東情勢
イラン紛争は4月のBTC相場において、引き続き最大のドライバーとなるだろう。
3月は、軍事衝突の激化と緩和期待が交錯し、その都度金融市場が振り回される構図となった。特に、カーグ島への攻撃やエネルギーインフラへの打撃は、原油供給懸念を通じてグローバルにインフレ圧力を高め、マクロ環境を通じてBTCにも波及したとみられる。
4月においては、米国とイランの停戦協議の行方が最大の焦点となる。
仮に交渉が決裂した場合、イランのエネルギー施設への大規模攻撃や、カーグ島掌握を巡る地上戦に発展する可能性があり、その場合はリスクオフが強まりやすい。一方、停戦が成立すれば、地政学リスクの後退を背景にリスクオンの流れが見込まれる。
尤も、トランプ米大統領は、停戦協議においてホルムズ海峡の正常化を条件として盛り込まない意向を側近に伝えているとの報道もある。よって、停戦に至ったとしてもホルムズ海峡の安全性が確保されなければ、原油価格の高止まりが続く可能性がある。その場合、BTC相場の上値余地が抑制される可能性には留意したい。
米国による対イラン攻撃の期限は7日に迫っており、4月は月初からボラティリティが高まる可能性が指摘される。
原油高の影響やいかに?
4月は、3月のエネルギー価格上昇の影響を反映した米経済指標が本格的に公表される局面となる。
注目は消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)、個人消費支出(PCE)といったインフレ指標である。足元では、FF金利先物市場において政策金利の年内据え置きが織り込まれており、インフレの一時的な上振れ自体はサプライズにはなりにくい。ただし、その上振れの「度合い」次第では金融政策見通しの再調整を招く可能性がある。
加えて、雇用統計や製造業PMI、小売売上高といった経済指標にも注意が必要だ。仮にインフレ高止まりと景気減速が同時に確認される場合、スタグフレーション懸念が台頭し、リスク資産全般にとって逆風となる公算が大きい。
4月の見通し:底堅い推移が続くか
一見すると悪材料が多く見えるが、地政学リスクが高まる中でも、BTCは米主要株価指数と比較して底堅い推移を見せている点は注目に値する。
年初からの調整を経て、大方の売り圧力は一巡した可能性がある。また、先月も指摘の通り、オンチェーン指標もサイクルの底に近い水準を示唆しており、大幅な下値余地は限定的とみられる。
このため、6万ドル近辺は強いサポートとして意識されやすいと考えられる。
イラン紛争が限定的な衝突にとどまり、3月分の米インフレ指標も市場想定の範囲内に収まれば、BTCは底堅さを維持しつつ、6万〜7万7000ドルレンジでの推移が続くだろう。
一方、米・イランの停戦成立に加え、米景気の底堅さが確認され、インフレも制御可能な範囲に収まる場合、リスクオンが強まり、8万ドル回復、最大で9万ドル近辺までの上昇も視野に入る。












