火曜日以降の下落の流れ止まらず、取引所への利確送金も確認される
今週の値動き
- 今週のビットコインは5月20日の1034万円から取引が始まりました。相場は月曜日から強く買われる動きとなり、先週から強かった流れが継続しました。対円では1100万円にタッチし過去最高値を更新しました。一方、高値圏からは利確売りに押される相場となりました。火曜日、水曜日、木曜日は全てマイナスとなり、一時1050万円近辺まで下落しました。現在も移動平均線(24EMA)を下回っており、底値を探る動きがみられます。週末の相場にやや懸念が残るチャートとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、価格上昇の影響からプラスで推移しています。FRは、一時0.025%近辺まで上昇する場面があり、1ヶ月ぶりの高値を記録しました。相場が上値を目指す際に、ロングポジションを建てるトレーダーが増加していることを示しています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で大きな清算が発生しました。対円で高値を更新する動きがあった際に1000万ドル近くの清算がありました。一方、今年の3月や4月の水準と比べるとまだまだ低く、ハイレバのポジションは低下していると考えられ、相場の盛り上がりはやや欠ける展開にあります。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で拡大傾向にあります。ここ数週間は10%程度で推移することが多かった同指標は、徐々に上昇しています。相場がやや持ち直したため、新規のロングポジションを建てるトレーダーが増加しました。一方、3月の高値圏(約30%の乖離)と比べるとまだ低い水準で推移しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は先週、大きな下落がみられました。一方、相場が高値を試すと小幅に上昇しました。現物を売って短期的な利益を確定する動きがみられました。これにより相場の上値が重くなったと考えられます。今週の増加分の売りを吸収できるかが今後の注目となりそうです。
まとめ
- 今週のビットコインは今のところプラスとなっていますが、足元では売りが目立つ動きとなっています。今週の始値を割り込むようだと相場が崩れる可能性があり、投資家心理が悪化するでしょう。デリバティブ市場ではロングポジションの増加がみられ、上値の重しの要因となりました。オンチェーンデータでも取引所保有の現物量の増加が確認され、来週にかけてこれが解消されるか注目です。先週は1週間を通じて非常に強い展開となりましたが、今週は火曜日以降の下落の流れが止まらず、来週に懸念を残す動きとなっています。