取引所への送金は継続、来週以降も上値が重い相場継続か
今週の値動き
- 今週のビットコインは7月8日の898万円から取引が始まりました。週始めは底堅い動きとなり、先週の下落の反動から反発しました。価格は月曜日に940万円近辺で一度利確売りに押される場面がありましたが、水曜日には960万円まで上昇しました。一方、960万円のレジスタンスはかなり重く、週末に近づくにつれ買いが続かなくなりました。現在は908万円で推移しており、今週の上昇幅も約1%となり、週次の上昇幅が減少しました。今週は週前半に上昇する場面がありましたが、上値の重さも目立つ展開となりました。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。相場は上値が重い動きが継続していますが、短期取引が主な無期限先物ではロングポジションの比率が高い状態です。現在のFRは0.005%とさほど高くはないものの、状況は先週からあまり変わってはいません。引き続き下落方向へのボラティリティが出やすい相場環境となっています。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は先週からほぼ横ばい推移となっています。概ね8%台で推移しており、先物取引価格は今後の価格上昇を織り込んでいます。7月の初旬と比べると、乖離率は徐々に落ちており、投機熱は冷めてきています。一方、デリバティブ市場のトレーダーは悲観的となっておらず、相場の底打ちがまだ先であることも示唆しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で上昇傾向にあります。ユーザーが取引所への送金を増やしており、売り圧力が増加傾向です。今年の前半は取引所保有BTCが減少する時期が多くありましたが、ここ2週間ほどは増加しています。最近の相場の上値が重い要因となっています。
2.含み益アドレス割合
- 同指標は、ビットコインアドレスで含み益が出ている状態の割合を示しています。現在は約83%となっており、徐々に低下しています。1ヶ月前は90%近くのアドレスで含み益が出ていました。まだ足元でも多くの含み益が出ている状態にあり利益確定の売りが出やすい状況です。
まとめ
- 今週のビットコインは週前半に上昇しましたが、買いは週後半まで続かず、上値の重さも目立つ展開となりました。デリバティブ市場はほぼ動きがなく、ロングポジションの比率が高い状態です。オンチェーンでは取引所への送金が継続しており、今後も上値が重くなりやすい状況です。今週は現在のところ僅かにプラスで取引されていますが、相場が反転する様子はなく、来週以降も底値を探る展開が予想されます。