オンチェーンでは売り需要の拡大が見られる、来週以降も軟調な展開が予想される
今週の値動き
- 今週のビットコインは6月24日の1012万円から取引が始まりました。相場は月曜日から売られる展開となり、先週からの下落の流れを引き継ぎました。価格は一時930万円台まで下落し、ここ8週間の安値を更新しました。一方、下落後は底堅い推移となり、1000万円手前で横ばい推移しています。1時間足は足元で24時間移動平均線の上位で推移しています。下落後に即座に反発したビットコインですが、1000万円を超えることに苦労しています。このまま1000万円を超えられずに来週を迎えることになると、再度安値を目指すことが予想されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。価格が1000万円を割り出した際は、ショートポジションの比率が増え一時的にマイナスとなる場面もありました。一方、週後半にかけて相場が横ばいで推移すると、再度FRはプラスを回復しました。投機筋は短期的には買い戻しポイントであると見ているようです。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で縮小傾向にあります。現在の乖離率は9.5%程度となっており、週始めの11%から1.5%ほど下落しました。足元で乖離率は縮小傾向にありますが、5月の相場の安値圏では6%台まで下落する場面があり、現在はその水準を上回っています。中長期的には相場が反転することを見込んだポジションが取られています。
3.ロング・ショート清算推移
- 今週のデリバティブ市場ではロング側で大きめの清算が発生しました。1000万円を割り込んだ際に1500万ドル級の清算が3度あり、同水準にはロングポジションの清算ラインが固まっていました。デイリーでは約2ヶ月ぶりの大きな清算となりました。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で上昇傾向となっています。今週月曜日に相場が下落した後も取引所保有BTCは上昇しています。利益を確定しようとするユーザーが増加していることを示しています。この流れが続けば今後の相場でも上値が重くなることが予想されます。
2.利益確定送金推移
- 同指標は、含み益が出ている状態のアドレスから送金があったデータを抽出したものです。今週は10億ドルを超える水準のビットコインがオンチェーン上で移動しています。ここ2ヶ月間で最も大きな動きがありました。取引所保有BTCの増加が示すように、送金の一部は取引所へ送られているものと考えられます。こちらでも足元の売り圧力が増加する可能性があることを示しています。
まとめ
- 今週のビットコインは円安の影響もあり、対円のビットコインは週次で2%程度の下落に止まっています。ここ8週間の安値を更新したことは、かなり弱気な値動きとして捉えることができます。デリバティブ市場では引き続きロングが多い状況が続いています。価格が下落した際は、清算を伴って値動きが激しくなる可能性があります。オンチェーンデータでは、ユーザーの売り圧力の高まりが示されており、相場の上値の重しとなるでしょう。今週は弱気なデータが揃っており、来週移行も下落する可能性が高いことを示しています。