今週は高値を切り下げるジリ安の展開、ショートの増加ポイントで一時的に反発
今週の値動き
- 今週のビットコインは6月17日の1052万円から取引が始まりました。今週の相場は高値を切り下げる上値が重い展開となりました。月曜日から売られる動きとなり、火曜日と木曜日には1050万円台を回復する場面がありましたが、いずれも即座に戻り売られています。今週の安値は1015万円を記録しており、今後1000万円近辺を試す可能性が高くなっています。価格は現在も24時間移動平均線(24EMA)を下回り、1030万円で推移しています。今週はこれまでの下落率が2%程度と小幅ですが、ジリ安の展開となっています。チャートからは買い需要が弱いことが示唆されており、来週以降も弱い展開に警戒です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。一方、FRは徐々に低下しており、18日には一時マイナスを記録しました。昨日の価格上昇の際にFRは再度上昇しています。投機熱は徐々に冷めてきていますが、まだロングポジションの比率が高い状態が続いています。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で縮小傾向にあります。今週は再び10%を下回り、ロングポジションが解除されています。現在は僅かに11%を下回った水準を記録しています。乖離率は縮小傾向にあるものの、ビットコイン先物はまだ今後の価格上昇を織り込んだ価格で取引されています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は先週から増加する動きが見られました。先週後半から取引所への送金が増え、ユーザーが現金化を進めていると予想されます。この傾向が続けば、相場の上値の重しとなるでしょう。長期では取引所が保有するBTCの量は減少傾向にありますが、短期では増加傾向にあります。
2.マイナーネットポジション
- 同指標は、マイナーが保有するBTCの増減を表したものです。最近はマイナスで推移することが多い状態です。足元の相場の上値の重さはマイナーの売り圧力が一因となっていると考えられます。最近ではハッシュレートも徐々に落ちてきており、マイナーの懐事情は苦しいようです。今後も価格が上昇せずマイナーの収益が改善しない場合は、さらなる現物売りを誘発する可能性があります。
まとめ
- 今週のビットコインは徐々に高値を切り下げる弱い動きとなっています。デリバティブ市場で売りが一時的に増えた際に相場は反発していますが、現物を買い支える需要は限定的です。先物価格を見てもまだロングポジションに偏っており、需給的にもいい状態とは言えません。オンチェーンでは現物売りを示唆するデータが出ており、相場の上値の重しとなっています。ここ2週間ほど下落トレンドが発生しており、トレンドの変化にはボラティリティの上昇が必要となります。現状は下に抜ける可能性があり、来週以降も底値を掘る動きに警戒です。