市場では高値更新を見越した動き増加、価格は1100万円を超えていけるか?
今週の値動き
- 今週のビットコインは6月3日の1066万円から取引が始まりました。月曜日から相場は買われて取引が開始され、価格は1100万円手前まで上昇しました。今週は多少の下げは買い戻される動きとなり、かなり底堅い動きが見られました。水曜日には過去最高値を試す展開も見られ、上値を追う相場が継続しています。ビットコイン円の1時間足は現在も24時間移動平均線を上回っており、今後も高値を試す展開が期待されます。価格は1100万円台を維持しており、週後半も底堅い動きが予想されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。先週は一時0.03%にタッチする場面もありましたが、現在0.01%近辺で安定しています。先週からはロングポジションの比率が低下していますが、ロングの比率が高いことに変わりはありません。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で拡大傾向にあります。現在は14.5%程度の上乖離となっています。先物取引市場では徐々に先を見越して買いが先行しています。今後の価格上昇が市場では織り込まれています。2週間前と比べると2%ほど上乖離しています。
3.インプライド・ボラティリティ
- オプション市場から算出されるインプライド・ボラティリティは先週まで低水準でしたが、今週はここ最近の高値圏である50を上回ってきました。オプション市場でも今後のボラティリティの上昇を見越した動きとなっています。高値更新後の大きな値動きを予想するトレーダーが増えています。
未決済建玉
- 先物取引における未決済建玉の推移は足元で大きく上昇しています。価格が最高値圏で推移していることから相場に注目が集まり、ポジションを保有するトレーダーが増加しています。これまでの指標から未決済建玉の多くはロングポジションが積まれていると推測されます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は今週大きく下落し、ここ最近の最低値を割り込みました。取引所で現物が買われ、出金されたものと考えられます。今週の相場の底堅さを裏付ける動きとなっています。今後も同指標が低下するようなら相場は底堅く推移することが予想されます。
まとめ
- 今週のビットコインは1100万円台を回復し底堅い値動きとなりました。デリバティブ市場では高値の更新を見越したポジションが建てられています。過熱感はまだないもののロングポジションが増加しています。取引所保有BTCの推移からも現物買いが見られ、来週も底堅い動きが示唆されています。インプライド・ボラティリティが示唆するように、高値更新後に値幅が大きくなるようなら強い上昇トレンドの発生が期待されます。一方、現在はまだ大きな値動きは出ておらず、高値の上抜けがきっかけとなりボラティリティが上昇するか注目です。