今週のBTC相場は上下に不安定な値動きに オプション市場は今後のレンジ推移を予想する
今週の値動き
- 今週のビットコインは4月22日の1004万円から取引が始まりました。先週後半から相場は底堅い状態となっており、週明けも上昇の流れが継続しました。価格は1040万円手前まで上昇しましたが、今週はこのラインがレジスタンスとなりました。上値が重くなった週央には、強い売りが発生し、価格は今週の始値を下回り979万円まで下落しました。一方、1000万円を割れたところで買い戻しが入り、現在は24時間移動平均線(24EMA)を上回っています。週次では小幅な上昇となっていますが、ほぼ横ばい推移の相場となりました。最近は週末にも底堅い動きが見られ、1000万円の上位を維持するようなら1040万円近辺まで戻す動きも予想されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスとマイナスを行き来している状態です。本日から小幅にマイナスで推移しています。短期筋が取引する無期限先物取引では、ロングポジションとショートポジションが拮抗しているようです。一時期はFRがプラスで安定してい推移していましたが、現在はポジションに偏りがない状態です。ロングポジションに偏っていた相場の過熱感は解消されています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、今週の安値を付けた際にロング側で2000万ドルの清算がありました。まとまった清算が発生したことで、週央の下落が止まりました。現在の相場はレンジで推移することが多く、大きめの清算が発生した場合は今後も相場の反転ポイントとなりやすいでしょう。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で横ばいとなっています。現在は10%程度の上乖離となっています。2週間前は18%で推移していた乖離は、上振れが縮小しています。こちらでも無期限先物同様に一時の相場の過熱感は後退しています。
4.インプライド・ボラティリティ
- オプション市場から算出されるインプライド・ボラティリティは、今週大きく下落しています。足元で価格が上昇した際も同指標は下落しており、オプション市場ではレンジでの推移が予想されています。2月に上昇トレンドが発生した際は、今より低い水準で推移していました。相場の価格調整は進んでいるものの、来週以降もレンジで推移する可能性があると言えます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は下落幅が縮小しています。これまで取引所保有BTCの推移は下落一辺倒となっていましたが、足元では下落の動きが鈍っています。利益を確定するための送金もあると見られ、同指標は横ばいとなっています。同指標が再度下落するか今後注目です。
まとめ
- 今週のビットコインは週を通して見れば、ほぼ横ばいとなり動意に欠ける展開となりました。デリバティブ市場では相場が動かない影響から投機的なポジションは低下しています。オプション市場でもレンジでの推移が予想されており、来週以降も小幅な値動きが続く可能性があります。今後も価格調整を続けながら、ここ1ヶ月間のレンジである920万円から1090万円のどちらかに抜ける動きを試すことが予想されます。現在の相場は強い方向に欠け、レンジを抜けるまでは不安定な値動きとなるでしょう。レンジの上限と下限に価格が近づいた際は次のトレンドが発生する可能性があるため、注目となります。