1100万円近辺では強い利確売りが発生、相場の楽観視からロングポジションも増加
今週の値動き
- 今週のビットコインは5月27日の1075万円から取引が始まりました。月曜日は底堅い動きとなり、一時1100万円にタッチしました。一方、高値圏では利確売りが強く、反落する動きに。高値での上値の重さが見られました。週央には1060万円まで下落する場面がありましたが、今週のサポートとなりました。足元で価格は1077万円で推移し、24時間移動平均線(24EMA)を上回っています。週次ではほぼ横ばい推移となっていますが、高値を切り下げているチャートは、来週に向けて不安な形となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。今週価格が1000万円にタッチした際には一時0.03%まで上昇しました。高値の更新を狙ってロングポジションを建てるトレーダーが増加したことを示しています。5月前半に相場が軟調だった時期と比べると、現在のFRは高い水準にあります。足元では0.01%程度に落ち着いていますが、再度相場が上昇した際にどのような動きになるか注目です。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で拡大傾向にあります。現在も13%程度で推移しており、2週間前と比べると3%ほど上昇しています。無期限先物取引と同様に先物でもロングポジションが増加していることを示しています。今週は相場がほぼ横ばいとなっていますが同指標は、上昇傾向にあり、今後の相場に対する楽観視が見られます。
3.インプライド・ボラティリティ
- オプション市場から算出されるインプライド・ボラティリティは足元で下落しています。相場が過去最高値を更新した際には55を超える場面がありましたが、その後の相場で買いが続かなかったため、足元で同指標は下落を見せています。オプション市場では今後もレンジで推移することが予想されています。ボラティリティの低下局面では、トレンドが出づらく、高値を大きく更新してく展開は起こりづらい状況です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は先週大きく上昇する動きが見られました。短期的な利益確定をしようと、現物が取引所へ送られました。今週に入り、徐々に取引所保有BTCは低下していますが、ここ最近の最低値を下回る動きは見られません。1100万円を超えていくには、同指標が足元の最低値を更新する動きが必要でしょう。
2.利益確定送金推移
- 同指標は、含み益が出ている状態のアドレスから送金があったデータを抽出したものです。足元の動きとしては、価格が1100万円に近づくと上昇する傾向にあります。高値圏では利益を確定しようとする動きは根強く、今週も高値での送金が増加しています。1100万円近辺で相場の上値が重くなる要因となっています。
まとめ
- 今週のビットコインはほぼ横ばい推移となり、動意に欠ける展開となっています。高値圏では相場の楽観視からロングポジションが増加する一方、取引所への利確売りを目的とした送金が見られました。チャートは上値を切り下げている形となっており、来週以降も上値が重い展開が予想されます。短期ポジションで利益が出ているポジションは、利確を考慮する時期に入っているでしょう。