今週は上下に乱高下する相場に、デリバティブ市場では大きな清算が発生
今週の値動き
- 今週のビットコインは3月18日の1020万円から取引が始まりました。今週のビットコインは週始めに強く売られる展開となりました。これまでは大きな押し目がなく上昇する場面が多く見られましたが、今週は強い下落が見られました。価格は923万円の安値を記録し、先週の安値を更新しました。一方、水曜日は米中央銀行のFOMCの結果が好感され、今週の始値の近辺まで値を戻しました。足元では1020万円のレジスタンスを超えることはできずに、現在は揉み合う動きとなっています。1時間足は、移動平均線(24EMA)を上回った水準となっていますが、レンジスタンスを超えることができるかが今後の焦点となりそうです。レジスタンスを突破できないようだと、来週以降の相場で今週の安値920万円台を試しに行く展開が予想されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元で下落傾向にあります。現在は0.005%程度で推移しています。先々週は0.1%を超える場面もありましたが、足元でロングポジションの割合は低下しています。値動きが軟調になったため、短期的なロングポジションが解消されたものと考えられます。デリバティブ市場では徐々にポジションの割合が落ち着きつつあります。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、今週は火曜日にロング側で大きな清算が発生しました。デイリーでの合計は1億ドルの清算があります。短期のハイレバポジションが狩られる動きとなりました。また水曜日には6000万ドル程度のショートポジションの清算も発生しており、今週は両方のポジションが狩られる動きもありました。現在の相場は不安定な値動きとなっており、これまでの上昇一辺倒の相場から変化があります。ハイレバトレードのリスクが上昇しています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で縮小傾向にあります。現在は3ヶ月先の先物価格が20%ほど現物価格より上乖離しています。乖離率は縮小傾向にある一方、まだ高い水準が維持されています。このまま相場が上値の重い展開が続くと、先物市場では多くの買い手が損失を抱える可能性があります。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落しており、ユーザーが取引所から現物を引き出す動きが見られます。こちらは年初からの流れが変わらず、取引所が保有する現物は枯渇しています。今週に入り相場は軟調な展開となっていますが、オンチェーンの動きだけを見れば、相場の大崩れは想定しづらい状況でしょう。
まとめ
- 今週の週始めに強く売られましたが、FOMCがビットコイン相場を救った形となりました。一方、1020万円レジスタンスを超えることはできておらず、上値の重さも見られます。デリバティブ市場では多くのロングポジションが解消され、投機的な動きは減退傾向にあります。今後の相場は徐々にボラティリティが落ち着いてくることが予想されます。取引所が保有する現物は減少傾向が変わらずと、引き続き売り圧力はそこまで高くないでしょう。とはいえ、足元の相場は上値も重くなり買い需要が先細っています。今週は方向感が読みづらい展開となっており、次のトレンドが明確になるまで慎重なトレードとなるでしょう。