Bitcoin Weekly Review: 短期では300万円台回復を狙う動き、オンチェーンは相場の底入れ間近を示唆
今週の値動き

- 今週のビットコインは278万円近辺から取引が始まった。週始めは比較的底堅い値動きとなり、水曜日には294万円まで上昇した。300万円台の回復を狙う値動きだったが、短期の利益確定売りに押され、再度今週の安値近辺まで戻された。一方、チャートは安値を切り上げており強気の展開が続いている。
- 価格は足元で24時間平均となる24EMA(279万円)を上回り推移している。現在は285万円近辺で取引されている。今後も高値を試す展開が予想されるが、310万円近辺の先週の戻り目では強い売りが予想される。現在、短期の上昇モメンタムが発生しているがレジスタンスまで上昇した際は戻り売りに注意が必要だ。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率

- 現在の資金調達率(FR)は-0.003%で推移しており、ショートポジションの比率が高いことを示している。対ドルで2万ドルに相当する270万円を下回った辺りからFRがマイナスで推移する傾向がある。2万ドルを下回るとショートポジションを持つトレーダーが増加するようだ。
- 先週と比べるとFRのマイナスに触れる幅は少なくなっているが、まだマイナスで推移することが多い。先週は価格急落の影響から大きなロングポジションの清算が発生したことから、FRは一時-0.019で推移している。
- 今週は290万円まで上昇した際にFRが一時的にプラスで推移する場面があった。しかしショートポジションの需要も根強く、FRはマイナスで推移することが多い。今後もショートポジションが増えれば、価格は底堅く推移することが予想される。
2.ロング・ショート清算

- 今週は比較的価格の変動が小さかったため、ロングポジションとショートポジションの清算も少なかった。価格が290万円から下落した際、ロングポジションで500万ドル程度の清算が3度あった。先週は270万円を割った際に4500万ドルの大きな清算が発生している。ショートポジションでは、今週の高値である290万円まで上昇した際に500万ドルの清算が発生しているが、先週発生したような大きな清算ではなかった。
3.先物価格乖離(3ヶ月)

- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離は、足元で価格が上昇したため回復傾向にある。先週、今年の最安値となった245万円近辺では一時-0.2%を記録している。ヒストリカルで見たグラスノードのデータでは、乖離がマイナス圏で取引されるのは史上初だ。先物市場ではかなり悲観的なトレーダーが増えていることを示している。現在は0.9%まで上昇しているが、ここ数年間の低水準であることには変わりはない。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移

- 取引所が保有するBTC数には足元で大きな変化が見られる。先週末に270万円を割り込んだ時に取引所保有BTCは大きく下落した。先週から9万BTCほど下落した。これまで価格が下落すると取引所保有BTCは上昇する傾向にあったが、先週の下落時には逆に取引所保有BTCは大きく下落した。ユーザーの短期的な売り圧力が減少していることを示している。
2.含み益アドレス割合

- ビットコインの含み駅アドレス割合は、先週、価格が底値の際に53%まで下落した。2020年のコロナショック以来の低水準を記録している。先週は多くの投資家が投げ売りしたと見られ、保有者の入れ替えがあったと考えられる。足元で含み益アドレス割合は上昇し、現在は56%で推移している。下落相場もかなり進み、利益確定を目的にした売り圧力は減少していることがわかる。
まとめ
- 先週売られ過ぎた反動で足元でビットコインは底堅い値動きになっている。310万円近辺には強いレジスタンスがあり、この価格帯での買いポジションには警戒が必要だ。
- デリバティブ市場の指標からは弱気なトレーダーが増加し、価格が底堅く推移する可能性を示している。まだ大きな相場の流れには反映されていないが、オンチェーンデータでは相場の底入れが近いことを示している。底値を掘る売り圧力は限定的と見られ、価格が最安値近辺まで下落した際は長期のロングポジションを持つチャンスだろう。










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