Bitcoin Weekly Review: 今週も弱い値動きが継続、先物市場では投機筋の買い熱が未だ冷めず
今週の値動き

出所:bitbank.ccより作成
- 今週のビットコインは404万円から取引が開始された。週末に底堅い値動きを見せていたが、週明け早々に売りが加速し380万円付近まで下落した。週中に価格は再度高値を試す動きとなり395万円まで下落するも、今週の始値を超えることができず反落し今週の安値を付けた。
- 足元では価格が24時間平均の24EMAを上回り推移している。価格が400万円を回復し下落チャネルを上に抜けることができるか注目だ。このチャネルラインを上に抜けるまでは価格の上昇シナリオを想定するには時期尚早だろう。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率

出所:glassnode.comより作成
- 先物資金調達率(FR)は、ビットコインの無期限先物のロングポジションとショートポジションの比率によって決められる。今週は安値の370万円付近で推移していた時、FRはマイナスに振れている。ショートポジションの比率が多く、売っている投機筋が多かったことを示している。
- ショート比率が多いと、ポジションを解除する際に買い戻す必要があるため、価格は底堅く推移する傾向がある。一方、足元で価格が上昇し400万円に近づいている現在はFRがプラスで推移し始めた。400万円付近ではFRが上昇しロングの比率が上昇することを示している。
2.ロング・ショート清算

出所:glassnode.comより作成
- ロング・ショートの清算推移を見ると、やはり値動きが激しかった先週に大きな清算が目立つ。先週はロング側で大きな清算が多かったが、今週は落ち着いている。先週は4000万ドル級のロング清算が複数見られた。
- ショート側では足元で価格が上昇し高値を試したこともあり、1000万ドル近くの清算が発生している。短期筋のショートポジションが清算されたことが資金調達率が上昇した要因にもなっている。
3.先物価格乖離(3ヶ月)

出所:glassnode.comより作成
- 先物価格(3ヶ月先)と現物価格の乖離は現在、3.2%程度で推移している。先週価格が大きく下落していた際は、乖離は一時ほぼ0%まで下落した。これは多くの投機筋が短期的にかなり弱気に傾き、先物が売られたことを示している。また大量のロングの清算も発生したことから、先物価格と現物価格の乖離が縮小した。
- 先週はビットコイン先物が強く売られた様子が伺えるが、意外にも今週に入り乖離は下落前の水準に戻っている。価格の下落を見て新たな投機筋が先物を買っていることを示している。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移

出所:glassnode.comより作成
- 取引所保有BTCはユーザーの換金需要を示唆しており、先週価格が下落している際に取引所の保有BTCは急増していた。今週に入り、徐々に取引所保有BTCは下落しているが、3週間ほど前と比べるとまだ高水準を維持しており、潜在的な現物の売り残りが懸念される。

出所:glassnode.comより作成
- 取引手数料推移を見ても先週に手数料の高騰が見られ、多くのユーザーが急いで取引所へ送金していることを示している。今週に入り手数料も落ち着いている。しかし再度価格が下落すると、取引所への送金需要が再燃する可能性があるため、今後も注視が必要だ。
2.含み益アドレス割合

出所:glassnode.comより作成
- 含み益アドレスは、ビットコインのアドレス全体における含み益がある割合の推移となっている。現在は59%ほどで推移している。先週の価格下落の影響から含み益アドレス割合は低下しているもののまだ50%を超えており、利益が出ているアドレスが含み損を抱えるアドレスより比較的多いことを示している。
まとめ
- 今週のビットコインは先週と比べると下落幅が縮小し底堅い値動きに見える。しかし、全体的には下落のチャネルを形成していることから、買い需要がまだ弱いことが伺える。足元で24EMAを上回っているが400万円台を回復できないようなら、再度チャネルの下限付近まで下落する可能性がある。
- デリバティブやオンチェーンを見ると、先週の下落の混乱から落ち着きを徐々に取り戻しつつあるように見える。一方、先物取引でビットコインが再度買われている様子があり、まだ買い手側の投機熱は冷めていないことがわかる。先週増加した取引所のBTC残を見ても、まだ戻り売りを狙った現物が待機していると予想される。ビットコインの値動きやデリバティブ、オンチェーンを全体的に見ると、まだ急いで買いポジションを建てる必要はなさそうだ。







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