ギリギリ2万ドル維持のBTC 週後半の要人発言に注意
先週(8月29日〜9月4日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比103,896円(+3.84)高の2,809,707円と3週ぶりに反発し、対ドルでは節目20,000ドル(≒280.4万円)を回復した。
9月米連邦公開市場委員会(FOMC)前の重要指標である米雇用統計の発表を控え、先週のBTC相場は対ドルで20,000ドル水準(≒277万円〜280万円)を挟み込み横ばいでの推移が続いた。雇用統計発表前日には、米失業保険新規申請件数の減少と8月のISM製造業雇用指数の改善を受けて、雇用統計が強めに出るとの観測が広がり、BTCオプション市場ではプットに需要が急速に偏り、相場は底堅く推移した一方で下値リスクへの織り込みが進んだ。
雇用統計の結果は、雇用者数拡大、賃金上昇ペース鈍化、失業率上昇となり、発表直後のBTC相場は上昇したものの、予想以上の失業率増加を受けた景気後退懸念が米株の重石となると、BTCも連れ安を演じ20,000ドル水準を割り込んだ。週末のBTCも前半は上値の重い展開が続いたが、一部のアルトコインが反発したこともあってジリ安に終始すると、19,600ドル水準となる274.8万円近辺で反発。シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物が取引を再開すると更に上昇し、20,000ドル水準をギリギリ回復した。


今週のBTC相場も方向感に欠ける展開が想定される。8月の米雇用統計の結果は、労働市場の需給逼迫が僅かに改善に向かっていることが示唆されたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長を含め複数のFRB関係者が景気抑制的な政策を受容してまでもインフレを沈静化するとの旨の発言をしており、政策金利の大幅な引き上げ懸念を払拭するには不十分だったと言える。今週は、6日に8月米ISM非製造業景況レポート、8日未明にブレイナードFRB副議長発言とベージュブック公表を控えているが、雇用統計の改善を受けても相場が上値を重くしたことに鑑みれば、それだけ市場のFOMCに対する警戒感は強いことが推測され、会合通過までリスク選好度が萎縮した状態が続くと指摘される。
目先で言えば、8月のISM非製造業景況感指数は7月からの減速が市場では予想されており、7月に極端に悪かった雇用指数と物価指数は改善が見込まれるが、これは8月の雇用統計と同様の傾向と言え、やはり市場の反応も類似するか。
一方、米主要3指数が3週続落する中、BTC相場の週足は反発している。先週はBTC採掘難易度が急上昇し、需給バランスへの懸念を指摘したが、その後もハッシュレートは伸び続けており、市場に若干の安心感を与えているか。マイナーから取引所へのBTC送金も先週は増加しているが、トレンド的には依然として低水準となっている。
ISMレポートやタカ派的発言が続くブレイナード副議長の発言には要注意だが、BTC先物市場の売り疲れ感も完全には解消されていないと指摘され、今週も安値では相場が買い支えられやすいだろう。19,600ドル周辺が短期レンジの下限、20,400ドルが上限となっており、米市場が休場の本日は同レンジでの揉み合いが続くか。













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