グズつくビットコイン相場 今週も材料難か?
先週(20日〜26日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比58,646円(2.11%)高の2,843,621円と小幅に反発。相場は比較的狭いレンジで揉み合う展開を繰り広げ、節目20,000ドル(≒270万円)を僅かに割り込む場面もあったが、前週の急落から売りが一服した。
週明けのBTC相場は、渦中のCelsiusのCELトークンがショートスクイーズで急騰する中、市場が全体的に上昇し21,000ドル水準(≒283万円)を回復し290万円台に乗せたが、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、7月も「50〜75bpの利上げ幅が妥当だ」と、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のスタンスを支持したこともあり反落。週央に開催されたパウエル議長の議会証言では、「ソフトランディングが非常に困難」であり、米経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性が否定されなかったことが嫌気されたが、BTC相場は節目20,000ドル水準周辺で買い支えられ下げ止まると、ディフェンシブセクターの株価に買いが入ったことや金利低下でハイテク株が強含むとBTCも連れ高となり、僅かながらショートカバーを伴い反発した。
週末に差し掛かると、Deribitのオプションカットが迫り市場では警戒感が広がったが、オプションカット通過後も相場は底堅く推移。FTXのBlockFi救済検討やGoldman SachsがCelsiusが破産した際に同社の資産を大幅なディスカウントで買い取るために投資家を募っているとの報道も相場の味方となったか、週末には22,000ドル(≒297万円)を試す展開となった。


米国のリセッション懸念が台頭したことで、コモディティ価格や米長短金利が先週は急落。また、公益事業や生活必需品セクターの株価が上昇したことや、リセッションにより利上げサイクル終焉が想定よりも前倒しされるシナリオも浮上しており、BTCも案外確りした値動きを演じた。ただ、実際にリセッションとなれば企業業績は低迷し市場のリスク選好度は悪化すると言えるため、足元の米株の反発が持続するかには疑問が残り、市場はこうした動きを若干先取りし過ぎている印象もある。
パウエル議長の議会証言やオプションカットを通過し、BTCはやや材料難と指摘される。今週は米5月個人消費支出(PCE)の発表を控えているが、市場は来月も75bpの利上げを織り込んでおり、PCEが4月から上振れようとそれほどサプライズとならなそうだ。29日には欧州連合のフォーラムでパウエル議長の発言があるが、先週の議会証言を市場が無難に通過したことに鑑みるに、こちらも相場への影響はそれほど大きくないか。
ビットコインのハッシュレートは先週、7日移動平均線が一時200Ehash/sを割り込むも反発しており、引き続き需給関係に著しい改善は見られない。また、黒字コインの割合を示すPercent Supply in Profit(PSP)も相場の大底を示す50%を割り込んでおらず、先週の月曜日時点とそれほど大きな変化はなく、もう一段相場が安くなれば、流石に売られ過ぎで速やかな自律反発も視野に入るが、身動きの取りにくい相場環境が続きそうだ。














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