ダブルボトム完成間近のBTC なぜ続伸できたか?
7日のビットコイン(BTC)対円相場は141,722円(5.07%)高の2,935,076円と二日続伸。対ドルでは一時22,000ドル(≒299万円)に肉薄した。
米株市場が息を吹き返す中、週央からのBTCは20,000ドル水準となる272万円周辺からジリジリと戻りを試し上昇。7日未明に米連邦準備制度理事会(FRB)が公開した6月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、やはりインフレ抑制に向けて50〜75ベーシスポイント(bp)利上げが適切とのメンバーの見解が確認されたが、想定以上にタカ派的な内容ではなく、BTCは280万円にタッチした。7日は序盤のアジア株式市場が若干弱含み、BTCもやや調整気味で280万円を背に揉み合ったが、ウォーラーFRB理事が9月に利上げペースを50bpに引き下げる可能性について言及したことでリスクオンが加速。BTCは米株の上昇に連れ高となり、21,000ドル水準の286万円を突破し、293.5万円の終値となった。


利上げサイクル出口の糸口とまでは言えないが、ペース減速の可能性が見え隠れし始めた。ただ、市場は依然として米経済がリセッションに入ることを懸念しており、今夜の米雇用統計が注目される。
3月に新規失業保険申請件数と月間のレイオフが底を突き、失業率も3ヶ月間、3.6%と横ばいに推移しているが、6月の失業保険申請件数とレイオフはほぼ横ばいとなっており、6月の失業率にも大きな変化はないか。もっとも、労働市場の供給サイドの逼迫や賃金上昇と言った物価上昇の種が予てから懸念されており、折角見えてきた利上げペース減速の希望も泡となる可能性もあるので注意したい。
他方、ビットコイン先物市場では、相場が低迷し続けていたにも関わらず今週の上昇で建玉が過去最高水準を更新している。先物取引の手数料にあたる資金調達率がプラスで推移していることに鑑みれば、市場の買い持ち高が積み上がっていることが指摘される。昨年5〜6月のように相場が安値圏で推移し資金調達率がマイナスに振れながら建玉が増加すると、巻き戻しの力が蓄積され相場が上値を追いやすくなる訳だが、足元の相場上昇はどうも信用しきれない。
BTC相場は、22,000ドルの上抜けに成功すれば、ダブルボトムの完成でテクニカル的にはトレンド反転を示唆する。ただ、市場が米経済の行き先を見極めようとする中で、過度に楽観的なシナリオは現時点では想定し難く、目先の方向感は今夜の雇用統計にかかっていると言えよう。













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