底堅いビットコイン それでも楽観禁物と思う理由
17日のビットコイン(BTC)対円相場は88,754円(2.30%)高の3,940,001円と反発。前日は5%下げていた。
シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして今週の取引を開始したことで、週明けのBTC対円は先物主導で上値を重くすると、中国の4月小売売上高が予想を大きく下回ったことが株式市場の上値を圧迫し、BTC相場にも重石となり、400万円維持に失敗。さらにこの日は、FTX CEOのサム・バンクマン・フリード氏(SBF)がFTとのインタビュー記事で、「ビットコインに決済ネットワークとしての将来はない」と発言したことが明らかとなり、相場は380万円近辺まで下げ足を速めた。同コメントは、その後、Twitter上で本人による火消しが行われ相場も若干反発したが、LUNAの発行体が8万BTCを売却したことが広まると反落。更に、NY連銀製造業景気指数の下振れが米株の重石となり、BTCは380万円を割り込んだ。
17日のBTCは、エルサルバドルで開催された、計44カ国の金融当局者と中銀当局者が集まるビットコイン導入に関する会議への期待感からか、反転上昇となり海外時間には398万円まで戻したが、高寄した米株がやや上値を重くすると再び390万円を割り込み、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、インフレが抑制される確証が掴めるまで「積極的な行動を検討する」と発言したことで、一時、380万円近辺まで押した。
しかし、この日発表された4月の米小売売上高が市場予想と合致したこともあり米株が底堅く推移すると、BTCも下げ幅を取り戻している。


週明けの中米経済指標下振れを受けてややリスク選好度が低下していたが、昨日の米小売売上高の上昇で米国の景気減速懸念が後退した。ただ、景気見通しの不透明感は払拭され切っておらず、株価の戻りも一時的となる公算は排除できない。来週は5月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開と、4月個人消費支出(PCE)の発表があり、目先では市場の警戒感も一層強くなるか。
Terra(LUNA)を巡っては、救済プランとしてLUNAのハードフォークが今月27日までに行われる模様で、新しいLUNAを旧LUNA(今後はLUNA Classic: LUNC)とTerraUSD(UST)保有者にエアドロップする予定のようだが、コミュニティからの反応は悪い。新LUNAにどれだけの価格が付くかも謎だが、市場に晒された途端に売りが殺到し再び混乱が起きる可能性も視野に入る。
手掛かり不足の中、BTCは底堅い推移を続けているが、週明け指摘の通り、引き続き上値余地は限定的と見ており、楽観は禁物だろう。週明けにはハッシュレートが過去最高値を更新し260Ehash/sに肉薄したが、昨日は元の水準まで低下した。もとより、相場下落が続く中でハッシュレートは逆行高となり採掘難度及びマイニングの損益分岐点を押し上げており、やはりマイナーが需給関係を悪化させている可能性が指摘される。













.jpg&w=3840&q=70)

.jpg&w=3840&q=70)