BTC、500万円維持失敗 FOMCメンバーの間で意見に隔たり
3日のビットコイン(BTC)対円相場は168,486円(3.32%)安の4,909,268円と二日続落し、節目500万円の維持に失敗した。
507万円で取引を開始した昨日のBTCは、東京市場後場の日経平均株価が反落すると小幅に下落し500万円にタッチ。その後は同水準を一時的に割り込む場面も見られたが、即座に反発し、欧州株が反落する中、底堅い推移を演じると、米失業保険新規申請件数の改善を受けた米株先の上昇に連れ高となり、510万円近辺まで値を戻した。
一方、米市場が反落するとBTCも弱含み510万円から反落。前日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの利上げを支持する意向を示し株価は反発していたが、昨日はクリーブランド連銀のメスター総裁が、ウクライナでの戦争が「物価上昇圧を持続させ、より重要なアクションを起こす必要性をあげている」と積極的な引き締めを支持した。その後、スイス・ルガーノがBTC、USDT、LVGA(ルガーノの独自トークン)を決済手段として認めると相場は下げ足を緩め、今朝方には対ドル42,000ドル水準となる484.5万円で反発したが、ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所で、ロシア軍による攻撃により火災が発生していると伝わると、米株先の急落に連れ安となり、足元、480万円周辺で推移している。


週明けには、ロシア国内での有事の暗号資産(仮想通貨)需要増加の思惑で強含んだBTCだったが、経済制裁の抜け道となることが懸念され欧米が対策検討に動いたことも週央の相場の重石となった。昨日は、ロシアとウクライナの第2次停戦交渉が行われたが、成果は得られず、そうした間にもウクライナ市民の死者数急増や原発への攻撃など、なかなか事態終息への道筋は見えてこない。BTC対ロシアルーブルの取引高は依然として高水準を保ち、相場も史上最高値に迫る勢いとなってはいるが、引き続き相場が戦況に振り回される可能性に注意したい。
さて、今夜は米雇用統計の発表を控えている。市場では、2月の非農業部門雇用者数は40万人前後の増加、失業率は4.0%から3.9%への低下が予想されており、結果が市場予想と合致すれば政策引き締め加速への機運が高まるか。パウエル議長は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げを支持する見通しだが、他のFOMCメンバーの間でも意見の隔たりがあり、警戒感は拭えないだろう。



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bitbank Report 2022/03/04:BTC、500万円維持失敗 FOMCメンバーの間で意見に隔たり










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